【プロ向け】コーヒードリップの抽出理論や原理を基に淹れ方のレシピやコツをまとめてみました

ドリップ抽出シーン
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皆さん、こんにちわ^^

コーヒー焙煎研究所WATARUのわたるです。

本日は、皆さまからのご質問で一番多く頂いておりました、コーヒードリップ抽出理論や抽出原理について詳しくお伝えさせて頂きたいと思います。私の独断と偏見な部分もありますが、皆様にオススメ出来るコーヒーの淹れ方やコーヒー器具などについても詳しく記述していきますので、是非ご参考にして下さいね。

かなり濃いめな内容にもなりますので、現役プロから愛好家の方まで、コーヒードリップ抽出のことを順を追って詳しく説明をしており、とても有益なコーヒー情報にも内容になりますので、最後まで是非お読み下さいね。

目次

美味しくドリップコーヒーを淹れるためのコツやコーヒー器具のポイントをお伝えします

まずドリップコーヒーとは何か??・・みたいなことですが、皆様ご存じだと思いますが改めてお伝えしていきますね。コーヒーを淹れる際に、大きく分類分けすると・・

①浸漬法

②透過法

上記2つのコーヒー抽出方法があります。まず①の「浸漬法」で淹れるコーヒー器具には、、、

【フレンチプレス】

【エアロプレス】

【クレバー】

・・などがあります。今回の趣旨とは外れますので割愛させて頂きますが、簡単に説明しますと『コーヒー粉とお湯を一定時間は浸した状態で接触して抽出する方法』になります。下記にも詳しく記述した過去記事がありますので、ご興味のある方は是非ご参照下さい。

参考リンク⇒「浸漬法でのコーヒー抽出のフレンチプレスの淹れ方や味の特徴について」

参考リンク⇒「コーヒーの旨味を最大限に味わえる抽出方法や美味しさの秘密について」

そして、あともう1つの分類されている②の「透過法」で淹れるコーヒー器具には、、、

【ドリップ】

【サイフォン】

【水出し】

【エスプレッソ】

・・などがあります。透過法でも、これだけの抽出器具や方法があります。そして、今回のテーマはコーヒー抽出原理を踏まえてコーヒー抽出理論を用いて淹れる、コーヒードリップの極意についてお伝えしていきたいと思います。そのドリップコーヒー抽出は、例えば『ドリッパー器具の材質』『ドリッパー器具の構造』『ドリッパー器具の穴の数』などで目標とする味わいが変化するために淹れ方のプロセスも大きく変わっていきます。

今回は私が理想としているコーヒーの味わいの定義に沿った、「上質なコーヒー豆」で「コーヒー豆が持つ香りと甘さ」を「後口に余韻を与えて」から楽しめるコーヒーを基にお伝えしていきたいと思います。そのために、1つ1つのポイントはこの定義に沿ったコーヒー器具やコツをお伝えしていきますので、宜しくお願いしますね。

その他の淹れ方やコツなどに関することにご興味のある方は、下記ブログ記事からもご参考にして下さいね。

 参考リンク⇒「コーヒーサイフォンの特徴や歴史について」

 参考リンク⇒「知っているようで知られていないコーヒードリップの発祥秘話や歴史について」

 参考リンク⇒「ネルドリップコーヒーの歴史や抽出の味わいについて」

【コーヒー抽出原理】コーヒードリップには5つのポイントがあります

コーヒードリップ抽出には様々な要素や要因で、その焙煎豆が持つ香りや味わいが液体に影響してきます。まず、その焙煎豆がコーヒー液体に影響するコーヒー抽出原理の要因については5つのポイントがあることをお伝えしていきますね。

~~コーヒードリップ抽出でコーヒー液体が変化する要因の5つのポイント~~

①コーヒー豆の粒度や均一性

②注湯温度

③コーヒー粉と注湯の割合

④コーヒー粉とお湯の接触時間

⑤コーヒー液体の抽出量

これら上記の5つのポイントでコーヒー液体は、同じ焙煎豆からでも大きく味わいや香りに影響が大きく関わってきます。まず、その1つ1つの要因をご説明してお伝えしていきたいと思います。

①コーヒー豆の挽き目や粒度の調整をする

まず、コーヒー豆を液体に効率良く抽出していくためには、コーヒー豆を粉砕していくことであります。そのためには、コーヒー豆をなるべく均一にしてグラインドしていくことが必須であります。コーヒー豆をグラインドしていくためには、「マシン」か「手挽き」があります。これらは、一長一短があり自分の環境や予算などで決めていく必要があります。

このコーヒー豆を粉砕するコーヒーミルのことについては下記の「コーヒーミルを選ぶ」項目のところで詳しく説明しておりますので、是非ご覧下さいね。

コーヒー豆は、粉砕粒度を細かくすればするだけ抽出効率が上がっていきます。逆に、粉砕粒度が大きくなればなるだけ抽出効率は下がっていきます。このことを踏まえて、濃いめなコーヒー液体を作りたいのか、それともあっさりなコーヒー液体を作りたいのかで粉砕粒度は決めていくと良いかと思います。

ちなみに、この粉砕粒度は抽出効率に影響があると申しましたが、コーヒーの味わいのバランスにも大きく影響を与えております。まず、コーヒーの味わいが抽出されていく順番は「酸味」⇒「甘味」⇒「苦味」となります。まだ、この間に「雑味」や「渋味」などがありますが、ポジティブな表現だけでいうと上記の順番になります。

 参考リンク⇒「コーヒー抽出方法は様々にあり、そのコーヒー抽出レシピについて公開します」

~~~コーヒー粉の粒度による抽出効率の比較について~~~

コーヒー豆の粒度が粗い⇒コーヒーの成分が溶解するスピードが遅く濃度が薄くなる

コーヒー豆の粒度が細かい⇒コーヒーの成分が溶解しやすく濃度が濃くなる

~~~コーヒーの味わいが溶解していく順番(ポジティブ面のみ)~~~

①酸味⇒②甘味⇒③苦味

*上記では同じ焙煎豆を使用して同じ抽出条件の場合です*

②コーヒーを注湯する温度を調整する

このコーヒーを抽出する際の温度調整ですが、前項の「コーヒー豆の粒度調整をする」部分でもお伝えした抽出効率とも繋がっております。単純にコーヒー粉に、熱い温度の湯を掛けると抽出効率が上がります。

そして、この注湯温度は他の要素では補えないものがあります。それは、アロマ成分であります。温度が高ければ高いほど溶けやすいアロマ成分は沢山あります。例えば、ゲイシャ種のようなアロマ香気成分に特徴的なフローラルさが特別あるようなコーヒー豆には、高温帯で香りをいち早く抽出した方が良いと言われております。

さらに、香気成分には揮発性のものと非揮発性のものがあったりしますので、尚更コーヒー豆によっては高温で抽出して香気成分に抽出してアロマを楽しまないと勿体無いと感じます。ただ、コーヒー抽出にはメリットとデメリットがありますので、あまり高温過ぎる抽出になるとアロマや酸は抽出成分で落せても、雑味や渋味に近く感じる成分も落ちてしまうこともあります。

・・なので、この注湯温度とは大胆かつ繊細でなければなりません。高品質のコーヒー豆は「アロマ」+「テイスト」=「フレーバー」を個性強く複雑に感じることが出来ます。高品質のコーヒー豆なのに産地特性や品種由来などの個性あるフレーバーを感じることが出来ないコーヒー液は、それこそ勿体無いと感じてしまいます。それも踏まえて下記に、アロマ面とテイスト面が注湯温度による影響についてまとめてみました。

 参考リンク⇒「コーヒーのアロマとテイストを活かしたエアロプレス抽出について」

~~~注湯温度によるテイスト面の抽出効率の比較について~~~

注湯温度が高い⇒コーヒー粉の溶解スピードが速く濃度が濃くなる

注湯温度が低い⇒コーヒー粉の溶解スピードが遅く濃度が薄くなる

~~~注湯温度によるアロマ成分の溶解の比較について(高品質のコーヒーのみ)~~~

注湯温度が高い⇒アロマ香気成分が溶けやすく多彩な香り成分がある

注湯温度が低い⇒アロマ香気成分が溶けにくく単調な香りになりがち

*コーヒー豆が高品質である場合です*

③コーヒーを注湯する際の質量を調整する

この項目がコーヒー抽出で一番考慮すべきことであると、私は個人的に感じております。それは、コーヒー粉とお湯の割合(ブリューレシオ)のことであり、このブリューレシオを設定することが出来るのはコーヒーの品質を見極めていなければ難しいことであります。

私はコーヒー焙煎師でありますので、日々コーヒー生豆と向き合いコーヒー焙煎をすることが日常であります。そのコーヒー焙煎後に、コーヒー焙煎が私の想像の範囲とコーヒー生豆のポテンシャルの軸の中でストライクゾーンに入っているかを確かめる作業として、毎回カッピングをしております。

 参考リンク⇒「コーヒーカッピングとは何?」

今回は、コーヒー抽出の質量に関することですのでコーヒーカッピングについては割愛させて頂きますね。詳しくは、上記リンクからご参考下さいね。

このカッピングをする際に、私は「1:20」のブリューレシオでコーヒー焙煎で適切なポイントを引き出せているかをチェック致します。この「1:20」の比率は「1」がコーヒー粉で「20」がお湯になります。このブリューレシオのカッピングでは、ポジティブ面は『甘味』『香り』『フレーバー』『酸の質』『バランス』『ボリューム』をチェックしており、ネガティブ面では『アンダーデベロップ』『ウォータリー』『ダーク』『フラット』などをチェックしております。

私は、このブリューレシオの比率が焙煎後のカッピングによる上記項目チェックには良いと判断して採用しております。ただ、このブリューレシオの比率はどの抽出工程でも大事になってくる要素であるし、一番最初に考慮すべきポイントであると感じております。

そして、世界のブリュワーに関するチャンピオン達は美味しくクオリティの高い豆であればブリューレシオは「1:15」くらいからレシピ構築していくと良いと言っておられますね。ただ、これはコーヒー豆のクオリティ次第であるので、とても高品質で良い豆であればネガティブは考慮しなくて良いので、抽出成分を効率良く出し切りレシピで良いよぉ~~・・と言っているのであって、コーヒー豆クオリティがスペシャルティコーヒー豆でも82~84点くらいであるのと、90点くらいでは根本的なブリューレシオを変えざるを得ないのであります。

・・なので、ここで大事なポイントはコーヒークオリティを見極めた上でブリューレシオを決定していくことが大事であると思います。

 参考リンク⇒「スペシャルティコーヒーの評価尺度や定義について」

~~~コーヒー豆のクオリティ別でのブリューレシオの目安~~~

トップスペシャルティコーヒー⇒300ccのお湯:20gのコーヒー粉

一般的なスペシャルティコーヒー⇒260ccのお湯:20gのコーヒー粉

量販的なコーヒー⇒200ccのお湯:20gのコーヒー粉

*上記は適正に焙煎されたコーヒー豆で、ある程度の目安ですので濃度や味わいはお好みでされると良いと思います。この基準は、あくまでコーヒー粉からポジティブ面だけを引き出すための目安になります。*

④コーヒー抽出する際の時間を調整する

コーヒー抽出をする際にお湯と粉が接触している時間は、コーヒー液体濃度に密接に関係しております。これは、そのコーヒー豆の焙煎度合いが浅煎りか深煎りかで抽出液体の成分が大きく変わり、味わいにも影響しております。

例えば、そのコーヒー豆が浅煎りであれば酸味を中心とした味わいの液体構造になり、深煎りであれば苦味を中心とした液体構造になります。この味わいの側面とは別にドリップコーヒーであれば、「流速」の関係性から「抽出スピード」にも起因してきます。

コーヒー豆は焙煎度合いが深くなればなるだけ、含有水分値も低くなり水分吸収率が高くなりコーヒー液体となってドリッパー内からサーバー内に落ちる速度が遅くなります。逆に、コーヒー豆の焙煎度合いが浅くなればなるだけ、含有水分値も高くなり水分吸収率が低くなりコーヒー液体となってドリッパー内に落ちていく速度は速くなっていきます。

これは、水以外のコーヒー豆から溶け出す成分「総溶解固形分(TDS)」とも比例しております。つまり、抽出条件は同じでコーヒー焙煎度合いだけが違う豆で流速が速くサーバーに落ち切ってしまうコーヒー液体は「総溶解固形分(TDS)」の数値が高く濃度が高いコーヒーとなります。また逆に、流速が遅くサーバーに落ちていくコーヒー液体は「総溶解固形分(TDS)」の数値が低く濃度が薄いコーヒーとなります。

ただ、このドリップコーヒー抽出原理でもう1つ注意しなければならない点が、この抽出時間をコントロールする際にあります。それは、同じ抽出条件であり同じコーヒー焙煎豆であっても流速が変わってしまうことがあります。それは、ドリップケトルから注がれる「湯線の細さ」「抽出位置の高さ」であります。

これらの2つの所作では、コーヒー粉に対する浸透圧の差などで影響を受けることになります。そのことについては、この記事の下部でお伝えするドリップケトル選びでの項目で詳しくお伝えしておりますので、そちらも一緒に読み進めて理解を深めて頂けると嬉しいです。

 参考リンク⇒「コーヒー焙煎度合いのフルシティローストの意味とメカニズム」

~~~抽出時間による液体の濃度の比較について~~~

抽出時間が長い⇒コーヒー液体の濃度が濃い

抽出時間が短い⇒コーヒー液体の濃度が薄い

⑤コーヒー液体の抽出量を調整する

前途でお伝えしているコーヒー抽出する前に設定するブリューレシオにも起因しているのですが、コーヒー粉と抽出湯量を設定したあとにコーヒードリッパーの湯が落ち切りにするか少し残すかでも味わいや濃度に差が出てきます。

私は個人的には流速や成分濃度の観点から落ち切りのレシピは、あまり採用はしていないですね。理由は再現性やクオリティの違いなどでは、雑味(エグ味、渋味)などを感じる液体に仕上がってしまうことがあるからです。

そういう意味で、コーヒー粉とお湯のブリューレシオの比率が例えば理想としては「1:14」であるとするならば「1:15」くらいに設定して浸透圧に負荷があまり掛らないような注ぎ方にして時間を掛けつつ、コーヒー粉の粒度を粗めにすることでクリーンでありつつ濃度感も保てるレシピが出来上がります。

このように、コーヒー液の抽出量はバランスや濃度に影響してくるのでレシピを採用するまで何度か淹れて調整が必要になってきます。

 参考リンク⇒「コーヒー焙煎競技会での8つのカッピングチェック項目とは」

~~~コーヒー液体の濃度による味わいの比較について~~~

「浅煎りコーヒー豆の場合」

濃度が薄い液体⇒スッキリとしていて爽やかな酸味(ウォータリーな印象になることもある)

濃度が濃い液体⇒キレのあるしっかりとした酸味(雑味を感じて濁りのある印象になることもある)

「深煎りコーヒー豆の場合」

濃度が薄い液体⇒円やかで優しい苦味(物足りない苦味に感じる印象になることもある)

濃度が濃い液体⇒コクのある重厚感のある苦味(焦げ味に感じる印象になることもある)

*上記はコーヒー焙煎クオリティなどによって変わってきます*

【コーヒー抽出理論】最適な抽出環境のためのオススメなコーヒー器具のご紹介

前項までがコーヒーの抽出原理のお話しでしたので、これから先は抽出原理を踏まえて私の独断と偏見も兼ねた抽出理論のお話しをしていきたいと思います。前項までのコーヒー抽出原理を考慮してコーヒーの液体クオリティを上げていこうとすると、その抽出原理に合わせたコーヒー器具が必要になってきます。

この章では、コーヒー器具の特徴や特性を踏まえて私がオススメするコーヒー器具のご紹介をしていきますね。

 参考リンク⇒「カリタ製品のオススメのコーヒー器具やアイテムのご紹介」

カリタNEXT-G

味や香りの目的を考えてコーヒー豆の最適な粒度を整えるコーヒーミルやグラインダーのご紹介

コーヒー豆があっても最適な粒度で粉砕されたコーヒー粉でなければ、均一な抽出液に仕上がっていかないので、コーヒーグラインダー選びはとても重要なポイントになります。まず一般的のコーヒーミルには「手動式」「電動式」があります。この2つの「手動式」「電動式」のコーヒーミルにはメリットとデメリットがあります。

~~~コーヒーミルの「手動式」と「電動式」の比較について~~~

「手動式コーヒーミル」

メリット:本体価格が手頃、コーヒー豆を挽く際に熱が発生しにくい

デメリット:粒度の均一性に欠ける、手間が掛る、大量のコーヒー豆を挽くことが出来ない

「電動式コーヒーグラインダー」

メリット:粒度の均一性が良い、大量のコーヒー豆を一度に挽くことが出来る

デメリット:導入コストが高い

~~~

上記に、「手動式コーヒーミル」「電動式コーヒーグラインダー」のメリットとデメリットを挙げてみましたが、共に一長一短がありますね。ただ、業務などで使用するのであれば断然に電動式コーヒーグラインダーがオススメになります。業務でのコーヒーで大事になることは「味の再現性」「オペレーションのスムーズな流れ」になりますので、電動式コーヒーグラインダーは業務で使用するなら必須になるかと思います。

その上で、クオリティや再現性などで考慮して私がオススメしているのは電動式コーヒーグラインダーになります。その電動式コーヒーグラインダーでも、コーヒー液体の味や香りをどのような仕上がりにしたいかで考慮する必要があります。

ここでは、色々なコーヒーグラインダーがある中で私がお店で目指す方向性のコーヒーのテーマに沿ったものをご紹介させて頂きたいと思います。私のお店で提案している方向性のコーヒーは・・

◎スイートネス

◎クリーンカップ

◎ロングアフターテイスト

◎甘味を中心とした立体的なコーヒー液体

この上記4点を実現するためのコーヒーグラインダーをオススメさせて頂いております。基本は、コーヒー粉が鋭角でフレーバーを立体的に明確に際立たせてくれるものが理想としておりますので、カリタ製の「NEXT-G」をオススメしております。

~~~コーヒーグラインダー「NEXT-G」の良い点~~~

1、電動グラインダーによくある微分末が飛び散らない

2、粒度の均一性がある

3、低速回転で摩擦熱が少なくアロマを際立たせてくれる

~~~

コーヒー液体の目的によってコーヒーグラインダー選びはすると更に理想に近づきますね。私が運営している店舗では、ドリップコーヒー抽出で使用しているグラインダーは全て「NEXT-G」になります。上記のようなコーヒー液体の目的と一致している方にはオススメですね。

ドリップポット燕

流速や浸透圧を注湯でコントロールするために必須なドリップケトルのご紹介

コーヒードリップアイテムでは、一番と言っていいほど最重要なコーヒー器具になる「コーヒードリップケトル」のご紹介をさせて頂きたいと思います。私は、店舗では味や香りの目的などでドリップケトルは使い分けております。あと、抽出杯数や抽出量などが多くなるときも使い分けたりしております。

実際にオールマイティーなドリップケトルは無くて、いつもと同じ味や香りに仕上げたい場合でも抽出杯数や抽出量で変えざるを得ません。基本的には、抽出量が少なくなればなるだけドリップケトルの先端が細く加工されているものであった方が良いです。逆に、抽出量が多くなればなるだけ細すぎては間にコントロールがしづらいのであります。

ただ、コーヒードリップ抽出で重要になるのは前半であります。このドリップ抽出の前半でいかに味や香りを落していけるかが重要になります。蒸らす際は、浸透圧を掛けずに低めの位置で注ぎ過ぎない方が良いと感じております。

蒸らしの際は、使用コーヒー豆量の1.5倍くらいの湯量の重さで行うとベストだと感じております。結構タイトな湯量であるので、湯の掛け方を間違えると均一な蒸らしが行えません。ただ、焙煎度合いが深くなったりすると若干の湯量は多くしないといけないので、調整出来るスキルや感覚がないと難しいのかと思います。

そういうことを踏まえて、私はコーヒードリップケトルは各メーカーが細口で販売されているものであれば対応が出来ると思います。ちなみに私は個人的に好みで使用しているのは、BONMAC製の「TSUBAME ドリップポット Pro」であります。

~~~BONMAC製ドリップポットProの良い点~~~

1、湯線のコントロールがしやすい

2、湯切れが良い

3、ケトルの注ぎ口までの角度が丁度良い

4、保温性があり冷めにくい

~~~

 参考リンク⇒「コーヒー抽出に必須なドリップケトルを比較してみました」

コーヒー器具

目的に沿ったコーヒー液体の質を考慮したペーパーとドリッパーのご紹介

このテーマはとてもデリケートになるので、私が感じるメリット面のみお伝えしていきますね。まず、私が目的としているコーヒーの液体は上記でも挙げた「スイートネス」「クリーンカップ」「ロングアフターテイスト」「甘味を中心としたバランスのある立体的なコーヒー液体」であります。この目的に合うペーパーフィルターとドリッパーをご紹介していきますね。

まず、どのメーカーでも良い部分は沢山あります。その中でも、私が上記のコーヒー液体を目的として使用しているのはカリタ製「ウェーブフィルター」になります。このカリタ製「ウェーブフィルター」の良い点はトロリとした甘さを伴ってコーヒーオイルを十分に味わえる液体に仕上がることです。

そして、このウェーブフィルターに適合するドリッパーのウェーブドリッパーがオススメになります。近年の円錐型ドリッパーのように流速が早く落ちていくリズムとは違い、円形の底に3つ穴が開いておりゆっくりと浸漬状態を保ちつつ透過されていきます。ただ、抽出リズムが遅すぎると穴が小さい分詰まってしまい流速が悪く暗い印象のコーヒーが出来上がってしまいます。

このカリタ製のウェーブフィルターは薄くコーヒーオイル成分を透過するのに最適であり、ウェーブフィルタードリッパーはゆっくりとした抽出リズムになりがちなので、とても面白くバランスの取れたものだと感じております。

~~~ウェーブフィルターでのコーヒー液体のメリット~~~

1、コーヒーオイル成分を楽しめる

2、甘さを中心としたしっかりとしたコーヒーを楽しめる

3、コーヒーのフレーバーを明確に楽しめる

~~~

 参考リンク⇒「カリタ製のウェーブドリッパーの抽出方法のコツを検証してみました」

コーヒー抽出の再現性やクオリティを更に上げるために必須なアイテムのご紹介

前途までは、「コーヒー抽出原理」と「コーヒー抽出理論」をお伝えしてきましたが、これらを補足し更にクオリティや再現性を高めるためのコーヒーアイテムをご紹介していきたいと思います。このクオリティや再現性に関しては、感性や感覚だけでは難しく、その理想を突きとめるためには数字を細かく追っていくことが必須になります。

この科学的な根拠に基づいた上で、人間でしかコントロールが出来ない感性や感覚を組み合わせてこそが最高に至福なものに仕上がるのであると感じております。では、コーヒーアイテムについて1つづつお伝えしていきますね。

アイスコーヒー作り方

コーヒーサーバーは目視で確認がしやすいビーカータイプがおすすめ!!

コーヒー抽出する際に、とても大事なこととしてコーヒー液体の抽出量の確認があります。どれだけの湯量を注いでコーヒー粉と接触して、どれだけのコーヒー液体量を抽出したかは大事になります。

そのコーヒー抽出量を確認するためにコーヒーサーバーが各メーカーが販売をしております。私も、コーヒー抽出をする際はコーヒーサーバーに印字されている目盛を目視で確認して作ります。ただ、コーヒーサーバーは三角形での形状の物が多くありますが、私は筒状で目視がしやすいビーカータイプを使用してコーヒー抽出をしております。

形状の違いで目視で確認しやすい部分が利点になります。是非、お試し下さいね。

ゲイシャコーヒー抽出1001-4

コーヒードリップの適切な注湯コントロールを確認するためにドリップステーションがおすすめ!!

私がコーヒードリップ抽出をする際に大事にしていることは、流速やドリッパー内から落ちる液体のリズムを目視で確認することであります。これはドリッパーの形状の違いで関係性は変わってきますが、私がオススメしているウェーブドリッパーでの抽出であれば、とても大事な部分になります。

ウェーブドリッパーを用いてドリップする際に、3つ穴からスムーズに均一に液体が流れ落ちているかが大事になります。あまりにも流速が遅かったり、湯線による撹拌スピードや浸透圧が足りなかったりすると目詰まりを起こし、1つや2つの穴が塞がれてドリッパー内のコーヒー液体が均一に落ちていかずに、暗く濁りのある液体になることが多くあります。

これは意図しているのであれば良いのですが、意図せずに目詰まりを起こし重く暗い印象のコーヒーが出来上がるのであれば、この点を注意することが大事になります。そういう意味で、コーヒーの流速や穴から液体がスムーズに落ちていることなどを確認してドリップをしたい方にはオススメなコーヒーアイテムになります。

コーヒードリップで注湯の質量と時間をコントロールするためにドリップスケールがおすすめ!!

コーヒードリップ抽出で「再現性」と「クオリティ向上」を目指すのであれば、このドリップスケールは必須アイテムになります。コーヒードリップする際の、湯量と抽出時間を計測が同時に出来る優れものです。

前項でもお伝えしましたが、コーヒードリップ抽出する際の「粉と湯の比率」「粉と湯の接触時間」は味や香りに大きく影響を与えます。そして、自分自身が目指す味や香りのバランスがあるのであれば「時間」と「質量」は計測しなければゴールには到達出来ないと感じております。

そのような、クオリティ向上と再現性のあるコーヒーを目指す人にはオススメなコーヒーアイテムになります。

まとめ

今回は、今まで皆さんにご質問を頂いていたコーヒードリップ抽出を中心に、私がコーヒー歴17年で培った独断と偏見も含めたご意見をさせて頂きました。前半でお伝えしていたコーヒー抽出原理は、とても深いコーヒー学問とでも言えるような内容で、この抽出原理があることによって、それぞれのゴールに向かうまでのプロセスに正解を導いていけるのだと思います。

このコーヒー抽出原理が曖昧に認識していると、恐らくコーヒー抽出理論はチンプンカンプンになってしまうのであると思います。ただ、これらの情報も常に自分自身の経験側や先人たちの教えや導きによってアップデートされていきます。

コーヒーの化学的根拠も含めた情報は、まだまだ解明されていないことが沢山あります。終わりのないコーヒーの旅って感じがしますけど、終わりのない楽しめる趣味であり生業なので毎日のコーヒー道やコーヒー学問が楽しいです。

今後も、コーヒーの最新情報やアップデート情報があればドシドシとブログにて更新していきますね。あと、私が過去に出場したハンドドリップ競技会やコーヒーの有資格も沢山のヒントがありますので、まだまだこちらでお伝え出来ていないこともありますので、ご興味のある方は下記ブログ記事も是非ご参照下さいね。

参考リンク⇒「2019年ハンドドリップコーヒー競技会の予選会に参加してきました」

参考リンク⇒「2018年ハンドドリップコーヒー競技会の予選会に参加してきました」

参考リンク⇒「2017年ハンドドリップコーヒー競技会の予選会に参加してきました」

参考リンク⇒「JCQA認定コーヒー生豆鑑定マスターの資格試験を受験してきました」

参考リンク⇒「CQI認定コーヒーQグレーダー資格を取得してきました」

上記の内容の他にも、当店のコーヒー教室などでも沢山の情報をお伝えさせて頂いておりますので、もっと気になる方は是非店舗の方まで足を運んでみて下さいね。下記リンクバナーに当店のアクセス情報や地図などの掲載もしておりますので、ご参考に下さいね!!

長い文章にお付き合い頂きありがとうございました!!!

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