JCQA認定のコーヒー生豆鑑定マスターの講習会に行ってきました【珈琲鑑定士への道】

コーヒー生豆鑑定
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皆さん、こんにちわ^^

コーヒー焙煎研究所わたるのWATARUです。

本日も、コーヒー好きな方にとって有益となる情報をお伝えしていきたいと思います。

私が先日、受講してきた【JCQA認定のコーヒー生豆鑑定マスター】の資格試験の前に開催される勉強会に参加して来た際のことを記載していきたいと思います。

コーヒー好きな方やコーヒー業に携わる方は、是非最後までお読み下さいね。

珈琲鑑定士資格の1つのJCQA認定の生豆鑑定マスターとは

今回、私が受講させて頂いたのは「生豆鑑定マスター」であります。この生豆鑑定マスターとは、JCQAが認定している資格の1つです。この「生豆鑑定マスター」と「商品設計マスター」と「品質管理マスター」の3つを取得すると、日本国における「珈琲鑑定士」といわれる称号を認証して頂けます。

私が去年受講させて頂いたのは「品質管理マスター」でありました。この品質管理マスターの資格も、珈琲鑑定士の1つの資格であり、品質管理に対して自社の体力で無理のない範囲で取り組めることや、お客様あるいは消費者のニーズ、クレームの発生状況に応じての管理レベルを引き上げていくことが基本となる知識や対応力の技能が必須となります。

参考リンク⇒「JCQA認定のコーヒー品質管理マスターの資格試験を受験してきました」

そして、今回私が受講させて頂いた「生豆鑑定マスター」とは3つの観点から判断して導き出すことの技能を求められる資格になります。その3つとは・・

①アピアランス(生豆と焙煎豆の外観)

②カップテスト

③格付け/銘柄評価

上記の3つのポイントを熟知していることを試され問われます。この3点は、生豆鑑定マスターには必須の技能や知識であり、このスキルがあった上で自社の商品設計や各生産国の作り手側との品質などについて検討することが出来るのであります。そして、このスキルは消費者の方々にも更なるコーヒーの魅力をお伝えする際にとても有益な情報ばかりであります。

ただ、この知識やスキルに関しては以前私が取得した「コーヒーインストラクター2級」と「コーヒーインストラクター1級」のことを熟知した上でないと理解し難いことばかりなので、コーヒー鑑定士とはすべての知識や技能を網羅したプロフェッショナルでなければ取得出来ない、とても高き資格であるといえるようです。

  参考リンク⇒「コーヒーインストラクター2級を取得しました」

  参考リンク⇒「コーヒーインストラクター1級を取得しました」

今回は、この高きコーヒーのスキルの資格「コーヒー生豆鑑定マスター」についてじっくりとお伝えしていきたいと思います。コーヒーに興味がある方や今後この資格取得をお考えの方には、とても有益な情報になりますので、是非最後までお読み下さいね。

①アピアランス(生豆と焙煎豆の外観)

アピアランスとは、コーヒー生豆の外観や焙煎後の外観を目視で観察して評価することを指しております。コーヒーは飲料でありますので風味が最も重要であると思われておりますが、コーヒー豆の外観が問われていない訳ではありません。コーヒーは嗜好品である以上は、同じ風味であったり、同じ価格であるのであれば、消費者の方が外観の良い物を好むの極めて自然なことであると思います。このアピアランスは、そのような消費者の気持ちに応えるスキルでもあるといえます。

コーヒー生豆の鑑定基準の予備的審査の重要なポイントが幾つかあります。

1、生豆の匂いの確認

2、収穫時のチェリーの完熟度合い

3、精選工程での適正な処理

4、輸送時の包装資材の状態

5、輸送コンテナ内の状態

6、保管状態などによる異臭付着

このようなことも踏まえてコーヒー生豆鑑定の外観の審査をしていきます。では具体的にどのようなポイントを詳しく審査をするかを順を追ってご説明していきます。

(1)種

現在の日本で商業栽培で流通している種は、アラビカ種とカネフォラ種の2種類であります。まずは、このアラビカ種とカネフォラ種の見極めることがコーヒー鑑定のスタートラインになります。実は、アラビカ種とカネフォラ種の見極めは容易であるのでありますが、ハイブリットでの種の判別が困難になります。

このハイブリットで栽培されている種は、外観だけでは容易に判断することが難しいのであります。しかし、ハイブリットは生産国ごとで栽培品種がある程度定まっておりますので、生産国名を見極めれれば栽培品種名を推測することが可能であります。

このように、コーヒー鑑定は見た目の判断だけでなく様々な要因で推測も含めて行っていくのであります。

参考リンク⇒「アラビカ種コーヒー豆の歴史と伝播について」

(2)プロセス(精選処理)

生豆の外観から、水洗式精選処理と非水洗式精選処理のプロセスを推察します。一般的には、非水洗処理の生豆外観は半光沢の黄色または栗色が多く、水洗式処理の生豆外観では光沢があり青色を帯びた緑色になることが多いです。そして、水洗式処理の場合は銀白色のシルバースキンを伴うために判別がしやすい外観ともいえます。

しかし、近年では水質汚染防止を考慮して発酵層を使用せずに強制的に粘液質を除去する新たなプロセスも開発されて進んで行われております。ただ、このような処理方法の生豆外観は正確にプロセスを判別することは難しいのであります。

参考リンク⇒「水洗式精製処理のプロセスのコーヒー豆の風味や味わいの特徴とは」

(3)シェイプ(形状)

生豆の形状から、アラビカ種とカネフォラ種の判別を行います。そして、それぞれのフラットビーンとピーベリーを判別していきます。この両者が含まれる場合は、それぞれの割合も調査します。

(4)ディフェクト・カウント(欠点数)

生豆の外観や風味を損なうものを総称してディフェクト(欠点)と呼び、規定の重量に含まれる欠点数の合計をディフェクト・カウント(欠点数)と呼びます。ディフェクト・カウントは欠点と言う見地から生豆の外観を評価する1つの方法でもあります。

石や木片などコーヒー豆ではない異物・夾雑物は欠点としてカウントされます。そして、割れた豆や虫が食った豆、未成熟豆や発酵豆も欠点にカウントされております。これらの欠点の種類や欠点数の定義は、ブラジル式(ブラジリアン・カウント)、ニューヨーク式(ニューヨーク・カウント)の方式などで定められております。

そして、ディフェクト・カウントを格付け基準にしていない生産国の場合は、欠点数が幾ら多くてもクレームが出来ないことを認識しておく必要があります。

(5)プレパレーション(品質仕様)

プレパレーションとは、私たち買い手の国側が生産国側に指定した品質仕様のことを指します。生産国が定めた輸出規格で良いケースもありますが、さらに特別な加工を施すためのケースもあります。

ヨーロピアン・プレパレーション(EP:欧州向け仕様)とアメリカン・プレパレーション(AP:米国向け仕様)の2つがあります。EPは外観にも風味にもこだわりを持っており、APはEPほど外観にはこだわらないが風味には一定の定義を持っております。この流れの観点は、EPは日本に似た消費者嗜好があり、APはコーヒーの外観よりも飲物として割り切っているようです。

このような欧州向けと米国向けのプレパレーションの差は、消費地固有の嗜好の差でもあります。この永年の取引実績により一定の品質仕様の違いとなって定着したものと考えられております。具体的なプレパレーションは、下記に示したような品質仕様の指定が可能でありますが、それらの指定した要素については鑑定できるスキルが要求されるのであります。

外観:「生豆の色」「スクリーンサイズ」「生産地域」「農園指定」「欠点数」「特定の欠点の許容範囲を指定」

品種:「特定栽培品種の単品指定」「複数栽培品種の混合指定」

風味:「キャラクター指定」

価格:「指定を加えれば加えるほど」「標準品価格に対してプレミアム(値差)が要求され購入価格は上がる」

(6)カラー(色)

目視により生豆の色がオリジンやクロップにふさわしい色であるか判別した上で、「グッド」「れギャラー」「プアー」の3段階で評価をします。

(7)クロップ(収穫年度)

生豆鑑定では特に重要とされるクロップ判別ですが・・・

ニュークロップ=収穫されてから1年以内

パストクロップ=収穫されてから1年以上~2年以内

オールドクロップ=収穫されてから2年以上

上記のポイントをコーヒー生豆の外観から判別していきます。生豆の色合いだけで正確に乾燥状態や品質を把握することは困難ですが、過度に乾燥すると緑色が薄れて黄色くなる傾向があります。そのため、色合いだけでもおおよそは判別していくことは可能であります。また、目視だけに頼らずにカッターで生豆を切断して、その硬さや生豆の断面などの乾燥度合いを推測することも必要になります。

参考リンク⇒「コーヒー豆のニュークロップの定義や違いについて」

(8)乾燥状態

生豆の乾燥状態は、外観とローストに与える影響力が大きいため重要な要素であります。時間的な余裕がない場合があり、分析器具等を使用せずに外観のみで見極める状況も多くあります。単に必要とされている水分含有量まで乾燥しているかだけでなく、全体の均一性も併せて目視で判別していきます。この判別の評価を「グッド」「レギュラー」「プアー」の3段階で評価していきます。

「グッド」:全体に均一な緑色で、硬い豆は収穫後の処理が適切であったことを示しており良い乾燥状態と評価されます

「レギュラー」:標準的な乾燥状態

「プアー」:過度の乾燥や乾燥不足、全体が斑になっているような均一性が劣るロットなどは不良の乾n燥状態と評価されます

(9)ロースト後の外観

生豆の状態では目立たなかった欠点豆が焙煎することにより、はっきりと浮き彫りになることがあります。このため生豆の品質を正確に把握するための手段として、ロースト後の外観チェックも判断基準の1つとして行われます。

後にカップテストで使用するので、この段階ではカップテストに適した焙煎度合いとして浅煎りにすると効果的といわれております。そして、ロースト後の外観審査には下記の点をチェックしていきます。

ロースト後の外観審査ポイント:「生豆の状態との比較」「種」「プロセス」「収穫年度」「ダメージの有無」「シルバースキンの色合い」「シワの有無」「煎り上がりの良し悪し」「均一性」

上記のチェックポイントが重要になってきます。これらのチェックポイントを踏まえた上で「外観のイメージの良し悪し」と「均一に焙煎されていない豆の比率」を調べた上で「グッド」「レギュラー」「プアー」の3段階で評価していきます。

「グッド」:ごく少量の豆が不規則な色合いや外観を示している

「レギュラー」:おおよそ一割くらいの豆が不規則な色や外観を示している

「プアー」:一割以上の豆が不規則な色合いや外観を示している

参考リンク⇒「コーヒー豆の8段階ある焙煎度合いの3番目のミディアムローストについて」

②カップテスト

カップテストの意味と基本的な手順については、インストラクター1級資格にて学んできました。そのことを、さらに深掘りして「サンプルのロースト」「粉砕方法」「風味の評価方法」などを学んでいきます。そして、コーヒー鑑定士として求められるカップテストとしては、単に原料生豆の良し悪しだけを判定するテストだけではありません。

参考リンク⇒「JCQA認定のコーヒーインストラクター1級の概要とは」

例えば、ペーパーフィルターでの抽出テストも必要となります。製品テストのペーパーフィルター抽出には、実際に用いれられている抽出方法での風味判定も必要になります。

(1)サンプルのロースト

生豆鑑定でのカップテスト用のローストには2つの側面を考慮しております。1つめは、原料調達のためのローストであります。そして、もう1つは販売するためのローストであります。

まず、原料調達のためのローストですが、生豆が持つ風味や特徴を検査することが重要なポイントになってきます。このため常に一定の温度プロファイルで焙煎することが好ましく、焙煎度合いもカップテスターが感知し易い煎り上げで設定すれば良いとされます。この焙煎度合いですが、一般的には深煎りになると苦味が強くなるので評価しにくくなりますので、製品の焙煎度よりも浅煎りにする傾向に仕上げた方が良いのであります。

そして、販売を目的としたサンプルローストとは、商品開発を軸にした考えを持っております。このため焙煎度や温度プロファイルは実製品と同様にする必要があります。

これから下記に記述するのは、原料調達のための品質検査方法を前提としております。

【原料調達のためのサンプルローストの手順】

1、サンプルロースターは、駆動部のグリスアップや排気通路の清掃を適切に行います。駆動時には暖気運転を十分におこない、バッチ毎に煎り上がりが生じないように再現性を重視して注意しておこなう。

2、焙煎機の温度計が180℃になったら生豆を投入します。

3、バッチ毎に同じ温度で投入して、温度プロファイルは一定に保つようにします。

4、検体の取り違いを起こさないように、サンプルに対し生産国名やグレードやロット番号を記入しておきます。

5、目標の焙煎度で焙煎を終了して急冷をします。焙煎度見本と比較をしながらおこなうようにします。

6、焙煎終了時は安全な温度に下がるまで焙煎機を止めずに、温度が下がったのを確認してから点検と清掃を行ってから、作業を終了とします。

参考リンク⇒「2019年のJCQA品質管理マスター資格試験の講習会に参加してきました」

(2)グラインド(粉砕)

生豆鑑定マスターでの、カップテスト用の粉砕粒度は粗挽きが適しているとされております。しかし、この粉砕粒度も繊細であり、粗過ぎると抽出不足を起こし、細か過ぎると不要な風味を過剰に発生させます。ですので、自社の業務に合ったカップテスト用の粒度を決定することが大事とされています。

粉砕機のタイプは問われませんが、カップテスト専用の粉砕機を設置して、カップ毎に粉砕する環境作りをすることをオススメされております。粉砕機の構造上で、内部に微量な粉砕したコーヒー粉が残り易いため、粉砕の都度クリーンなコーヒー豆を清掃用として粉砕して、特徴の弱い検体から強い検体へ順次粉砕していく配慮も必要になります。

~~グラインドに関してのまとめ~~

粒度の適正:粗過ぎ⇒抽出不足  細か過ぎ⇒過抽出

歯の清掃:ロットとロット間の清掃が必要

粉砕の方法:1検体(1カップ)ずつ、個別に粉砕する

挽く順番:味わいの弱い検体から粉砕していく(例、「ブラジル」⇒「グァテマラ」⇒「エチオピア」⇒「カネフォラ種」)

粒度:通年同一な粉砕粒度を採用する

粉砕機:カップテスト専用機があると好ましい

(3)カップテストの評価

生豆鑑定マスターのカップテストの評価にも2つの側面があります。1つめは、原料調達のための評価であります。そして、もう1つは販売のための評価であります。まず、原料調達のための評価としては、「ファンダメンタル・テイスト(基本的な風味)」と「プライマリー・テイスト(主要な風味)」があります。この2つの風味を探るための専用シートの「インスペクション・シート」があります。

「インスペクション・シート」では『ダメージの有無』『ダメージの度合い』『味覚の特徴を表す言葉』『生産国特有のキャラクター』『レンジ(味わいの幅)』を数値化することが実際の業務では必要になってきます。

そして、販売のための評価としては「セカンダリー・テイスト(二次的な風味)」が重要となってきます。このセカンダリー・テイストの基本は、『良い風味のコーヒーを如何に消費者に分かりやすく表現をするか』ということが重要なポイントになります。

参考リンク⇒「コーヒーのカッピングに必要な基準と尺度とは」

1、ファンダメンタル・テイスト(基本的な風味)

この基本的な風味評価には『ダメージ(好ましくない風味)』と『サウンド(健全な風味)』があります。如何に表現されているのは『ダメージ』と『サウンド』の代表例であります。

①サウンド:ダメージのないロット

②ダメージ:ダメージのあるロット

 a)ファーメンテーション(発酵臭・味)

 b)モールド(カビ臭・味)

 c)薬品臭・味

 d)フォーリン・テイスト(コーヒー以外の風味)

2、プライマリー・テイスト(主要な風味)

プライマリーテイストとは、主要な風味の評価を行うことを指しております。このプライマリー・テイストでは商品設計をする際に要望などに応えれる評価基準を、生豆の使用目的に合っているかを慎重に評価する必要があります。

①アロマ(芳香性)

アロマはコーヒーでは最重要な要素であり、抽出液から発生している好ましい香り。

②甘味

完熟した果実が持つ甘く柔らかい風味。

③アシディティ(良好な酸味)

もともとコーヒーに備わるべき好ましい酸味。

④ボディ

飲み応えやコクと表現される風味。

⑤クリーンネス

異臭意味なく、すっきりとした透明度のある風味。

⑥渋味

通常は、渋味を伴うコーヒーではマイルドさを損なうためマイナス要因といわれております。ただし、サンプルをカップっテスト用に画一的な温度プロファイルでローストすると、硬く膨らみにくい豆からは渋味が発生しやすいといわれております。このような要因もあるので、渋味自体を短絡的にプライマリー・テイストの評価を下げる原因に結びつけることは細心の注意を払わなければならないのであります。

⑦パストクロップ(枯れた風味)

収穫から1年以上経過したロットから発生する風味です。ニュークロップが持つ風味が弱まった独特な古い質感の風味を感じます。産地によっては1年経過していなくても古い質感の風味を感知することもあります。

3、セカンダリー・テイスト(2次的な風味)

セカンダリー・テイストとは、コーヒーの具体的な風味特性を表したものになります。具体的の表現には様々な用語が用いられますが、その中には何の風味も持たないクリーンなカップもあれば、複合的な風味を感じるカップもあります。

~~~様々な風味の表現~~~

◎フルーティ◎

「完熟した果肉の風味」「ニュークロップ臭味」

乾燥工程での適正か不適正で、好感な印象か不快な印象が決定します。

◎フローラル◎

「花のような風味」

発育段階と完熟度合いが適正であると感じます。

◎チョコレート◎

「チョコレートのような風味」

発育段階と完熟度合いであると表れます。

◎キャラメル◎

「キャラメルのような風味」

収穫時の完熟度合いで決定します。

◎ワイニー◎

「ワインのような風味」

収穫後から精選工程までのかかる時間によって決まる。

◎ナッティ◎

「ローストしたナッツ類のような香ばしい風味」

発育環境・発育状態・乾燥工程が要因で発生します。

◎ウッディ◎

「生木や枯れ木のような風味」

生木の要因は発育環境の不良によります。

枯れ木の要因は、乾燥工程や保管等の不良によって生じます。

◎ストロー◎

「藁のような風味」

乾燥工程・保管環境などの不良が原因で生じます。

◎フラット◎

「抑揚がなく平坦な風味」

発育環境や発育条件や保管環境などが起因であります。

◎ロウ・テイスト◎

「青臭さや生臭さを感じさせる生焼けの風味」

焙煎工程での不適で生じます。

◎バーント・テイスト◎

「焼け焦げた風味」

焙煎工程での不適によって感じます。

◎アンライプ◎

「大豆や青臭い風味」

未成熟豆の混入で感じます。

◎スモーキー◎

「煙臭さや燻製臭を感じる風味」

乾燥工程や設備の不適によって生じます。

◎レイン・ダメージ◎

「雨水の汚れを感じる不快を伴う水っぽい風味」

乾燥工程や保管の際に水濡れを起こしたことが要因であります。

◎パーチメント◎

「パーチメント特有の渋味やムレた感じの風味」

乾燥不良や乾燥後のエージング不足で起きます。

◎ダーティー◎

「汚れを感じる不快な風味」

長期間の保管状態や保管環境の不備によることで生じます。

◎オールドクロップ◎

「古い感じや抜けた風味」

カレントクロップよりも長く経過したことによって生じます。

◎フォーリン・テイスト◎

「具体的な物質の名前を的確に示す」

果物や食べ物等の風味に由来して生じます。

◎グラッシー◎

「草のような青臭い風味」

発育状態や早期収穫による要因があります。

◎ラバリー◎

「ゴムのような風味」

保管状態の不備による要因があります。

◎薬品臭◎

「消毒液のような薬品臭」

乾燥工程・輸送状態・保管の環境等の不備の要因があります。

◎ビネガー◎

「舌を刺す酢のような風味」

収穫・精選処理・乾燥工程・輸送環境・保管状況等での影響で生じます。

◎アーシー◎

「土や泥のような風味」

収穫・精選処理・乾燥工程の不備で生じます。

◎モールド(マスティー)◎

「カビのような風味」

収穫・精選処理・乾燥工程の不備の影響で生じます。

◎サワー◎

「好ましくない『すっぱい』酸味」

収穫・精選処理・乾燥工程の不備の影響で生じます。

◎ファーメンテーション◎

「腐敗した風味」「発酵臭味」

収穫・精選処理・乾燥工程の不備の影響で生じます。

③格付け/銘柄評価

生豆鑑定で求められるのは、生産国のコーヒーの格付けが正しいものか否かを判断するスキルであります。生産国が格付けしたとおりの商品名になることも多く、実際に手にするものの目利きや技能が必要になってきます。

(1)スクリーンによる評価

「フラットビーンをふるう場合」

◎円形の穴が開いたフラットビーン専用ふるい。

◎一般には『スクリーン12~20』が使用されております。

「ピーベリーをふるう場合」

◎細長い穴の開いたピーベリー専用ふるい

◎一般では『スクリーン10~13』が使用されております。

~~~スクリーンサイズでの評価を採用している主要な国~~~

◎コロンビア(エクセルソ・スプレモ等)

◎ケニア(AA・AB等)

◎タンザニア(AA・AB等)

参考リンク⇒「コロンビア産コーヒー豆の歴史や焙煎豆の特徴について」

参考リンク⇒「ケニア産ニエリ地区ルトゥマ農協RUTHAGATI ABコーヒー豆の生産履歴や特徴について」

(2)タイプによる評価

この「タイプによる評価」とは「欠点数(ディフェクト・カウント)」のことであります。ただ、この「欠点数の定義」「欠点の数値」「規定量」は生産国によって基準が変わります。

~~~タイプでの評価を採用している主要な国~~~

◎エチオピア(G1~G5)

◎ペルー(G1~G5)

参考リンク⇒「ETHIOPIA GUJI SHAKISO Tade GG農園のコーヒー豆の生産履歴と特徴について」

~~~「タイプ+スクリーンサイズ」での評価を採用している国~~~

◎ブラジル(No.2等)

◎インドネシア(G1~G5)

◎ジャマイカ(No.1~No.3等)

参考リンク⇒「ブラジル産バルデグラマ地区サンタアリーナ農園のコーヒー豆の生産履歴や特徴について」

(3)標高による評価

メキシコ以南の中米諸国は、標高を基準に格付けとしている国が多くあります。一般的には、標高が高くなるに従って風味が向上する傾向が認められております。

~~~標高での評価を採用している国~~~

◎メキシコ(HG・PW等)

◎グァテマラ(EPW~SHB等)

◎エルサルバドル(HG・SHG等)

◎ホンジュラス(HG・SHG等)

参考リンク⇒「グァテマラ産コーヒー豆の歴史や焙煎豆の特徴について」

生豆鑑定2

まとめ

今回の「生豆鑑定」の実技と学科は、正に両輪であります。知っているだけでは正解は導き出せないし、感覚的に分かっても理由が言葉で明確に表せないと正解にはならないのが生豆鑑定で求められていることなのであります。

講師の方から、目指すべき領域は『暗黙知』ではなく『形式知』であることが大事だと教わりました。

~~~暗黙知とは~~~

経験的に使っている知識だが、言葉では説明が出来ない知識のこと。

~~~形式知とは~~~

形式知とは「文章」「図表」「数式」による説明や表現が出来る知識のこと。誰にでも認識が可能で、客観的に捉えることができる知識のこと。

私たち、コーヒー職人のような現場サイドの人間は「出来るけど説明が出来ない」という方がほとんどです。この「出来るけど説明が出来ない」から「出来ることはすべて言葉で説明をして伝えれる」領域に達してからこそ、生豆鑑定マスターといえるのであります。

実際の資格試験は来月に行われますが、ただ知っている領域から言葉で根拠や理由を説明出来る領域に達せるように精進したいと思います。改めて、まだまだコーヒーの世界の奥深さを知ることが出来てワクワクしました。

当店では、このようなコーヒーの根本的な部分から口に運ばれる所までの魅力を沢山お伝えしておりますので、コーヒーを学びたい方は是非お越し下さいね。下記リンクに当店の詳しい地図やアクセス情報も記載しておりますので要チェック下さいね!!

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