スペシャルティコーヒーの誕生秘話と評価尺度や定義について

スペシャルティコーヒー
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皆さん、こんにちわ^^

コーヒー焙煎研究所わたるの所長のWATARUです。

本日も、皆様からのご質問や疑問をお答えしていきたいと思います。

ここ最近、メールやお問い合わせなどで一番多く頂いていたのは、『スペシャルティコーヒーとは何か?』・・というご質問に関する内容でした。

ですので、本日は【スペシャルティコーヒーの誕生秘話と評価尺度や定義について】詳しくお答えしていきたいと思います。

コーヒー好きな方には、とても有益な情報になると思いますので、是非最後までお読み下さいね。

スペシャルティコーヒーの発祥や誕生秘話とは

「スペシャルティコーヒー」・・・「特別なコーヒー・・・?」 一般的にあまり耳にしない言葉ではないでしょうか。ただ、ここ数年でコンビニやコーヒーショップなどで「スペシャルティコーヒー」という言葉や単語はよく耳にするようになってきたことかと思います。本日は、この「スペシャルティコーヒー」という言葉の意味や誕生秘話などを紐解いて、コーヒー好きな皆様の謎を解消していきたいと思います。

実は、「スペシャルティコーヒー」という言葉には立派な定義があり、その言葉が生まれるまでの歴史があります。「スペシャルティコーヒー」はコーヒーの品格を上げてきたある一定基準を超えた立派な言葉でもあります。この「スペシャルティコーヒー」は、従来あった量産型コーヒーのカテゴリーの「コモディティコーヒー」との違いは先物取引市場ではなく、産地直送でコーヒー農家さんとの取り引きであることです。

  参考リンク⇒「先物取引市場コーヒーのプレミアムコーヒーとスタンダードコーヒーとは」

この直接取引によるコーヒー豆では、量産型のような安定供給だけを目的としている訳ではなく、品質や味わいや香りを伴ったコーヒー豆を目指しているので、クオリティ次第で価格が正当なものになるのも互いにとっての魅力でもあります。だから、コーヒー農家もハイクオリティのコーヒー豆を作ることが評価されて高価な取り引きが出来ることを望み、コーヒー栽培にも情熱を注げるのであります。

もちろん、私たちのようなハイクオリティを望むコーヒー専門店も同じく品質が良ければ対価をお支払いをして、更に価値を高めて消費者の方々に提供していくことを望んでいるのであります。この関係性は互いの領域を高めつつ、互いの領域をフィードバックしてよりよい1杯のコーヒー作りを支え合う関係性が出来るのであります。このような、価値あるコーヒーのすべての過程にドラマがあることをお伝え出来ることもスペシャルティコーヒーの魅力だと感じております。

そんな、スペシャルティコーヒーも日本でもコーヒーがメジャーな飲み物となった今では、従来飲んでいたコーヒーブランドだけではなく、スペシャルティコーヒーのことを知って、それを味わってみてはと思い、発祥からその歴史、風味についての特徴などを紹介させて頂きますね。

そもそもコーヒーという飲み物は、コーヒーノキを育ててできたコーヒーの実であり、これがサクランボに似ていることからコーヒーチェリーとも言われております。このコーヒーチェリーから取り出した種子を精製、焙煎した結果できたコーヒー豆を、好みの挽き方で挽いたコーヒー粉で淹れた飲み物になります。この過程は、もう説明しなくてもご存じですよね(笑)

コーヒー豆は産地の気候や地形によって、味や香りに特徴が出るものですが、同じ生産地のコーヒー豆でも、精製方法や焙煎、さらには豆の挽き方や淹れ方によって風味は違ってきます。そんな中で1978年にフランスで開かれたコーヒー国際会議でアメリカのEma Knutsen女史がインタビューの中で言った言葉が従来のコーヒーとは異なる「スペシャルティコーヒー」という言葉のきっかけとされています。

スペシャルティコーヒーという言葉が生まれてから、世界各国でスペシャルティコーヒー協会が組織されるようになり、コーヒーの品質を高めていこうとする動きが盛んになりました。しかし、世界各国にあるスペシャルティコーヒー協会で定義しているスペシャルティコーヒーの定義はそれぞれ異なっていて、現在まで共通化されていません。ただ、共通していることはより美味しく香り高いコーヒーを目指していることです。

  参考リンク⇒「世界各国のスペシャルティコーヒー協会の定義や評価基準の違いとは」

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世界各国のスペシャルティコーヒー協会の定義とは

スペシャルティコーヒーは主なコーヒー消費国で、それぞれにスペシャルティコーヒー協会というのがあります。その中のいくつかを挙げると、世界一のコーヒー消費国であるアメリカ、生産国世界一のブラジルをはじめ、コスタリカ、パナマとさまざまな国でスペシャルティコーヒー協会を設立し、活動を続けています。もちろん日本にもスペシャルティコーヒー協会は存在します。

その、いくつかの国におけるスペシャルティコーヒーの定義を紹介していきますね。まず日本スペシャルティコーヒー協会(Specialty Coffee Association of Japan:以下SCAJ)ですが、

【消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。】

としています。次に1982年に設立されたアメリカの協会(SCAA)はより具体的に定義されています。それは米国スペシャルティコーヒー協会(SCAA)の定めた基準や手順にのっとってコーヒーを評価できるとCQI(コーヒー品質協会)が認めた技能者、これをQグレーダー(Licensed Q Grader)と言いますが、これが100点満点中80点以上と評価したコーヒーのみをスペシャルティコーヒーとしています。

世界最大のコーヒー豆の生産地であるブラジルはまた、消費量も世界第2位です。そのため生産国として栽培からカップに注がれるコーヒーまでの全ての段階において徹底的に管理されているものがスペシャルティコーヒーとして認定されています。

さらに近年、ブラジルスペシャルティコーヒー協会(BSCA)が開催した“Cup of Excellence”という品評会では、各国のコーヒーエキスパート24人を審査員として招き、ブラインドテストで最も優れたものにCup of Excellenceという称号を与えました。このようにして世界各国でコーヒーの品質を上げる活動が進み、コーヒーはさらに美味しい飲み物の定義が増えて、スペシャルティコーヒーと名乗るものにはある一定以上の基準があり消費者が満足するようなコーヒーが広まってきました。

  参考リンク⇒「東京ビックサイトで開催されたスペシャルティコーヒーの祭典SCAJ2018とは」 

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スペシャルティコーヒーの味わいや風味とは

ここまでスペシャルティコーヒーについて、品質の高さ、世界的に有名であることなどを紹介してきましたが、実際、他のブランドと違ってどう美味しいのでしょうか。そのどういう違いがあるかをSCAJでは、具体的な条件を掲げております。

SCAJでは・・

【From seed to cupとして、コーヒー豆(種子)からカップまですべての段階において一貫した体制・工程・品質管理を徹底していること】

・・が必須条件としております。前途で紹介したように、スペシャルティコーヒーの味や風味について明確な定義はありません。なので、「スペシャルティコーヒーの味や風味はこれ」という説明はできません。

それぞれの豆の種類によって、その特徴が最大限に引き出され、余計な雑味がないものがスペシャルティコーヒーなのです。コーヒー豆の段階でスペシャルティコーヒーとして輸入されてもその後欠点豆を取り除く作業や保存方法、焙煎などさまざまな条件によって、口に入る段階でスペシャルティコーヒーと言えないことがあります。

それは産地由来の風味特性を感じられるような焙煎工程を経ているか?抽出する際に、風味特性を考えて抽出工程を経ているか?・・など、カップに注がれる段階までの工程をすべて風味特性を考慮してコーヒー作りがなされているかが重要なのであります。 

  参考リンク⇒「スペシャルティコーヒー協会主催の焙煎競技会JCRC2018に参加しました」

せっかくスペシャルティコーヒー豆を買っても、ご自分で淹れたコーヒーが、最高の味や風味になっているか、比べてみるためにコーヒーショップに行って、プロがいれたスペシャルティコーヒーと比べてみるのも良いと思います。当店のコーヒー豆は、すべてスペシャルティコーヒー基準はクリアしているコーヒー豆ばかりですので、是非飲み比べしてみて下さいね。

まとめ

コーヒーの世界観も嗜好品として確立されつつあり、成熟期に入り次なる形で消費者の皆様を楽しませてくれるものになってきてますね。今回、皆様にお伝えしたスペシャルティコーヒーの世界観や各国の基準や定義などを踏まえてコーヒーを楽しむと更に魅力的なものになりますね。

ただ美味しいだけのコーヒーの時代でもなく、ただ飲んで消費するだけの安いコーヒーだけの世界観でもなく、カッコ良さやスタイルだけを重視したコーヒーカルチャーだけでもなく、ホントの嗜好品としての次なる形式や波がきているように感じます。

当店では、すべてのコーヒーの飲み比べが試飲で出来ますので、このスペシャルティコーヒーの世界観だけでなく次なるコーヒーの嗜好品の世界観も体感したい方は、是非いらして下さいね。一緒にホントのコーヒーの魅力を体感出来ると嬉しいです。

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