モカコーヒーの由来とは?特徴的な味わいや香りの秘密について

エチオピアコーヒー
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皆さん、こんにちわ^^

コーヒー焙煎研究所わたるのWATARUです。

本日は、皆様からのご質問や疑問で多く頂いておりました「モカとは?」「コーヒーのモカとは?」のようなコーヒーにまつわる単語でよく耳にする『モカ』についてお伝えしていきますね。

私もコーヒー店舗運営を17年しておりますので、お客様からよく「モカ」のことについては尋ねられることがありましたので、今回は『モカ』について様々な角度から記述していきますので、コーヒー好きな方やコーヒー愛好家の方にはとても有益な情報になると思いますので、最後までお読み下さいね。

コーヒーの用語「モカ」とは?

巷では、コーヒーといえばモカのような言葉や単語をよく目にしますよね。私も、店頭でよく「モカコーヒーはありませんか?」・・と訊ねて来られる方は多くいらっしゃいます。そのような「モカコーヒー」の意味や由来を詳しくお伝えしていきたいと思います。

まず、単刀直入にいいますと「モカ」とはアラビア半島のイエメン共和国の港の名前であります。モカはコーヒーの発祥の地での名称であり、実は歴史があるネーミングでもあります。モカ港とは、アラビア半島の南西端にあり紅海にありました。

もともと、コーヒー豆の発祥の地はエチオピアなのですが、そのコーヒー豆を世界に広めた人達がアラビア半島の商人といわれております。そのアラビアからアラビカという品種の由来はあるといわれております。

その当時はエチオピアやイエメンほど世界に大きな生産地がないことからも、コーヒーの代名詞としてモカと親しまれていたようです。今回は、このモカの名称の発祥の地でもある『エチオピア産モカコーヒー』と『イエメン産モカコーヒー』のことについて詳しく徹底解説していきたいと思います。

 参考リンク⇒「モカの発祥の地から始まったコーヒーの歴史について」

エチオピア1

モカコーヒーはエチオピア産とイエメン産のコーヒーのことをいいます

いまだにコーヒーファンに根強い人気の「モカ」コーヒーですが、前途でお話ししましたようにエチオピア発祥で広めたアラビア半島の商人が居たモカ港からの由来で「モカ」はコーヒーの代名詞として全世界に広まったのであります。

では、そのモカコーヒーはネームバリューだけの品質のコーヒーであるか?・・と言われると、そうではなく全世界の産地には代用がないくらいの個性あるアロマやテイストがあります。コーヒー豆のアラビカ種の祖先は「ティピカ種」と「ブルボン種」といわれておりますが、このエチオピア産とイエメン産のモカコーヒーはティピカ種の祖先であります。

このモカコーヒーは15世紀半ばから、イエメンから世界に羽ばたいていきました。まず1616年にオランダ東インド会社がモカ港に入り、アムステルダムに輸送します。このことをきっかけにヨーロッパとモカとの直接取引の始まりになりました。

その後、17世紀後半になるとヨーロッパのコーヒー需要が拡大すると、オランダはモカから定期的にコーヒー豆を輸入することになりました。その後に、オランダがモカから持ち出したコーヒーの苗木をスリランカの土地でコーヒー栽培をすることに成功しました。

そのあとは、ジャワ島でもコーヒー栽培に成功しました。そのジャワ島からアムステルダム植物園に1本のコーヒーの苗木が贈られて、これからカリブ海や中南米など一帯に広まっていきました。このすべては、アラビア半島のモカ港から商人たちの働きがあったからであります。この浪漫ある、ティピカ種の人から人へ国から国へ伝わっていく伝播ドラマは「モカコーヒー」のことであります。

この「モカコーヒー」のエチオピア産とイエメン産のコーヒーの魅力や特徴などを、このあとはお伝えしていきますね。下記ブログ記事にも詳しく、コーヒー伝播のことやもう1つの品種のブルボン種のことを記述しておりますので、ご興味のある方は是非ご観覧下さいね。

 参考リンク⇒「アラビカ種のコーヒー豆の伝播と歴史について」

 参考リンク⇒「もう1つの祖先のブルボン種の伝播や歴史について」

モカの名称のエチオピア産コーヒーの香りと味わいの特徴とは

前途までは「モカコーヒー」の歴史や伝播や由来などを詳しくお伝えしてきました。ここからは、モカの名称として愛されているエチオピア産コーヒーとイエメン産コーヒーのことについて詳しくお伝えしていきたいと思います。

まず、エチオピア産コーヒーのモカですが、当店でも2つの契約農園のモカを提供しております。現在、日本で流通しているモカといわれるスペシャルティコーヒーのほとんどは、このエチオピア産コーヒー豆であります。このエチオピア産コーヒーのモカは、香りや味わいの個性が他の生産国ではないものを感じます。

例えば、ナチュラルプロセスでのモカであれば「ピーチ」「トロピカルフルーツ」「マンゴー」など完熟フルーツのようなフレーバーを感じるものがあり、ウォッシュドプロセスのモカであれば「レモン」「マスカット」「青リンゴ」など黄色系の柑橘類を感じるフレーバーなどがあります。ただ、これらは焙煎度合いなどによってアロマとテイストが変わり、感じるフレーバーも変わってきます。

あと、日本ではコーヒーの名前には特定銘柄という消費者に不利益にならないような定義のものが幾つかあります。この全日本コーヒー公正取引競技会が定めた定義の中にエチオピア産コーヒーも含まれております。『モカハラー』という名称には・・・

【エチオピア・ハラー地区で生産されたアラビカ種コーヒー豆】

・・上記のような、エチオピア国のハラー地区で生産されたアラビカ種のコーヒー豆のみは特定銘柄に指定されております。何があっても上記のような条件を満たさなければ、『モカハラー』と呼んだり名称を使用したりしてはならないのです。

このように、日本で広まっているモカの名称も上記条件が満たさないと表記したりすることが出来ないというルールまであります。それだけ、モカというネーミングや名称はコーヒーの代名詞であるので、消費者も騙されたり勘違いしないように取り決めがあるのですね。

また、その他エチオピア産コーヒー豆の歴史や栽培情報や特徴などは詳しく下記ブログに記載しておりますので、ご興味のある方は是非ご観覧下さいね。

 参照記事⇒「エチオピア産コーヒー豆の歴史や味わいの特徴について」

モカの名称のイエメン産コーヒーの香りと味わいの特徴とは

もう1つのモカの生産地のイエメン産コーヒーについてですが、昔ながらのコーヒー好きな方はこちらのモカが高価で知っている方が多いのではないでしょうか?前項でも説明しました日本のコーヒー公正取引競技会で定めている公正競争規約の中に、特定銘柄コーヒーがあります。

この特定銘柄コーヒーで有名なのが「ブルーマウンテン」や「キリマンジャロ」などがあります。前項でも説明した「モカハラー」も、その特定銘柄コーヒーの1つになります。そして、イエメン産のコーヒーのモカにも特定銘柄コーヒーとしての名称があります。それは、『モカマタリ』であります。この『モカマタリ』の定義は・・

【イエメンで生産されたアラビカ種コーヒー豆】

・・という上記で記されたことが条件になります。『モカマタリ』は『モカハラー』と比較して、かなり広域な定義になりますね。そして、イエメン産のコーヒー豆には格付け基準がありません。精製処理方法もナチュラルプロセスのみになります。

 参考リンク⇒「格付け基準が標高差のグァテマラ産コーヒーについて」

 参考リンク⇒「格付け基準がスクリーンサイズのコロンビア産コーヒーについて」

イエメン産コーヒーは、収穫や栽培の数量がエチオピアと比べて少ない面からみても高価で希少価値ある取り引きをされている意味も分かります。コーヒー生豆の印象は、全体的にナチュラルプロセスでの精製処理もあって、他国でのコーヒー豆よりも欠点豆の混入率が多くあり、ハンドピックなどを入念にしないと風味を阻害してクリーンカップに仕上げることが難しいですね。

ただ、このイエメン産モカコーヒーは他の国では味わえないフルーティーな味わいや酸味が個性的で抜群に素晴らしい印象もあります。そのような生豆なので、焙煎は個性を活かしつつクリーンカップに仕上げていくことが大事になるので、上級者向きのコーヒーであるともいえます。

その他、イエメン産コーヒーについて歴史や栽培地情報や味わいなどについては下記ブログに詳しく記載しておりますので、ご興味のある方は是非ご観覧下さいね。

 参考リンク⇒「イエメン産コーヒー豆の歴史や味わいの特徴について」

モカコーヒーの特徴を踏まえた美味しい淹れ方

基本的にモカコーヒーは、前途でお伝えした「エチオピア産コーヒー」か「イエメン産コーヒー」になります。そのどちらにも、基本な味わいの傾向は酸味にあります。これは焙煎度合いにも由来しておりますが、浅煎りであれば特に酸味が多く含まれている傾向にあります。

この焙煎度合いが深煎りになればなるだけ、酸味成分は分解されて褐色した苦味の味わいに支配されていきます。ですので、ここではモカコーヒーの特徴を考慮した上で、焙煎度合いと精製処理の違い別でおすすめのレシピをご紹介しますね。ちなみに、上記動画は当店のエチオピア産コーヒーの浅煎りの豆での抽出シーンになります。

~~~ナチュラルプロセスの浅煎りコーヒー豆のレシピ~~~

豆量:20g

挽き目:中挽き

ドリッパー:ウェーブドリッパー185

総注湯量:280g

蒸らし温度:92℃

注湯温度:82℃

抽出時間:1分40秒

抽出量:200cc

~~~ナチュラルプロセスの中深煎りコーヒー豆のレシピ~~~

豆量:20g

挽き目:中細挽き

ドリッパー:ウェーブドリッパー185

総注湯量:270g

蒸らし温度:92℃

注湯温度:82℃

抽出時間:1分50秒

抽出量:200cc

~~~ウォッシュドプロセスの浅煎りコーヒー豆のレシピ~~~

豆量:20g

挽き目:粗挽き

ドリッパー:ウェーブドリッパー155

総注湯量:280g

蒸らし温度:92℃

注湯温度:78℃

抽出時間:1分30秒

抽出量:200cc

~~~ウォッシュドプロセスの中深煎りコーヒー豆のレシピ~~~

豆量:20g

挽き目:中細挽き

ドリッパー:ウェーブドリッパー185

総注湯量:270g

蒸らし温度:92℃

注湯温度:82℃

抽出時間:1分50秒

抽出量:200cc

~~~

このレシピは、当店のエチオピア産コーヒー豆の基本レシピとしております。コーヒーの品質によってアロマ成分やフレーバーに関わる要因があると、その都度レシピを変更しております。エチオピア産コーヒーを淹れる方は是非ご参考にして下さいね。

 参考リンク⇒「コーヒードリップ抽出原理を考慮して淹れ方のレシピやコツをまとめてみました」

まとめ

モカコーヒーの由来や歴史は如何でしたか?私も毎日店頭でお客様と向き合っていて、度々モカのコーヒーはあるか?・・と尋ねられることが多くあります。その度に、エチオピア産とイエメン産のコーヒーをお伝えさせて頂いております。

皆さんの頭の中では、モカは特別な香りや味わいがあると認識されている方が多くいらっしゃるようなので、当店にもモカコーヒーは2種類ありますので、期待以上のものをと思いオススメさせて頂いております。

特別なモカコーヒーを堪能したい方は、是非店頭までお越し下さいね。下記リンクバナーに当店の店舗情報やアクセス情報を詳しく記載しておりますので、ご興味のある方は是非いらして下さいね!!

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