皆さん、こんにちわ^^
コーヒー焙煎研究所WATARUのわたるです。
先日、スペシャルティコーヒー協会主催の【ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ(JCRC)2018予選】に参加させて頂いたときのことを備忘録として記述させて頂きます。
目次
コーヒー焙煎技術の日本一を決めるJAPAN COFFEE ROASTING CHAMPIONSHIP
日本スペシャルティコーヒー協会が毎年主催しているコーヒー焙煎競技で日本一を決定して、世界大会に出場するためのコーヒー焙煎日本大会があります。この日本スペシャルティコーヒー協会さんは、私たちが現場で働くコーヒーのプロにとって素晴らしい試みをいつも提供してくれております。通常、私のようなコーヒー焙煎師にとっては、毎日が黙々と仕事をすることが多いのであります。
お店で提供するためのコーヒー豆や卸し先のコーヒー豆や委託焙煎業や、とにかく焙煎機に向い一日中黙々と作業をすることが多くあります。ただ、コーヒー焙煎のみを行い一日が終わることもあったりします。コーヒー焙煎で重要な部分は素材の風味や味わいを引き出すだけでなく、風味や味わいの引き出し方を理解して想像的な風味と味わいを組み合わせることにあると感じております。
そのためには、「生豆のポテンシャル」「焙煎により風味と味わいを引き出すプロセス」を知り尽くすことが必須になります。生豆によっては、密度や水分値が違うので同じロットの豆でも毎日少しづつ豆自体も変化をするし、環境温度と湿度も変化します。だから、熱の当て方のアプローチも考慮しないと風味が際立つ成分進化を促すことも、その前の水抜きなども計算して焙煎が出来ないのです。
つまり、この日本スペシャルティコーヒー協会さんが主催しているジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップは、焙煎このことだけでなくコーヒー生豆のことも深く理解していないと決勝まで勝ち上がり世界大会まではいけないのです。他にも、このスペシャルティコーヒー協会さんが主催している私たちプロにとっての競技会は、ドリップ抽出日本一を決める「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ」、サイフォン抽出日本一を決める「ジャパンサイフォニストチャンピオンシップ」、コーヒー抽出の全般の幅広い「ジャパンブリュワーズカップ」、エスプレッソコーヒー抽出を基本に日本一を決める「ジャパンバリスタチャンピオンシップ」など、他にもコーヒーに関わる競技会は沢山あります。
⇒「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2018に出場しました」
このように、私たちがコーヒーのプロとして理解するべき部分を理解しつつ、いかに日々のコーヒーサーブする中で有知識の中でより創造性あるコーヒーを提供しているかを、このような競技会では試されています。これらのコーヒー競技会では、絶対にラッキーパンチはあり得ません。どれだけコーヒーのことを知り尽くし、どれだけ日々コーヒーに向き合っているかが重要なのです。毎日、うんちくだけを並べていてもこのコーヒー競技会では結果は出ないのであります。出来る人は共通して迷いがなく、コーヒーに向き合い結果を出しております。
私は、コーヒーに向き合い続けているからこそ、この現在の自分のコーヒーに対して真剣に向き合い全国のコーヒーのプロフェッショナルの方々と競ってみたいと思っております。大きい世界に目を向けるといかに自分自身が未熟で小さい存在だと知ることが出来るからです。そういう意味でも、今回のJAPAN COFFEE ROASTING CHAMPIONSHIP(JCRC)2018は、スゴク収穫も大きく得ることも沢山ありました。
ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ(JCRC)2018の審査項目のスコアシートとは
今年のジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ予選会は、去年とは違い課題豆が1週間前に送ってきます。その課題豆を、8項目のカッピングスコアの合計点の上位6名が決勝に進むというシンプルでありながら高レベルな争いになります。その8項目とは以下になります。
1、Fragrance/Aroma
2、Flavor
3、Aftertaste
4、Acidity
5、Body
6、Sweetness
7、Balance
8、Overall
このスコアシートは、日本スペシャルティコーヒー協会での定義ではなく世界大会での基準でのスコアシートになるので、確認しながら焙煎をしていたらよく出来ているなぁ~~・・と感心しちゃいました。そして、このスコアシートも「Flavor」「Sweetnes」「Balance」だけは2倍のスコアで計算されてしまいます。要は、この3つの重要性は高いということで、今回の課題豆を焙煎してみて絶妙だな~~・・と感じました。
そして、今回の課題豆はケニアのエンブ地区のコーヒー豆でした。コーヒー生豆のプロファイルは以下のようになります。
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生産者: Merue Fareners Coop.Society
精製所: Kavutiri Factory
エリア: Embu District
プロセス: Fully Washed
品種: SL28、SL34
標高: 1,750m
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当店でもケニアはニエリ地区を中心にエンブ地区や様々な地区を提供しておりましたので、特に今年のクロップは印象が強くありましたので、日本スペシャルティコーヒー協会さんがケニアのエンブ地区のコーヒー豆を課題豆にしたこと自体で、やっぱり素晴らしいな~~・・と感じました。このコーヒー豆は、Developmentを意識し過ぎてFlavorをフォーカスし過ぎると水抜きが不十分になって甘さが足りなくなったり、ネガティブ部分でいえば生っぽくなったりとします。逆に、水抜きをしっかりと意識していると今度はAnderDevelopmentになり成分発達が不十分でボヤケタFlavorになりAcidityに明るさがなくなり、ネガティブ部分でいうなら濁りのある液体になります。
何かを意識すると何かのバランスが崩れていくし、特にこのケニアでの成分発達と甘さを同時に重要視することは難儀の技でもありました。そして、コーヒー豆の提出期限は届いて丁度1週間後なのでエイジング期間も考慮しなければなりませんでした。率直にいうと、今回の豆は焙煎でのカロリーは最初から急激に与えて短時間で仕上げるのですが、豆面のL値と中身のL値には差があり、エイジングすることによって苦味が突出しやすいというか、酸の成分が分解されて苦味の成分を感じやすくなったりします。中煎りでありながら浅煎りであるような絶妙な焙煎のバランスでなくちゃならないのです。
私は、エイジングを5日間と計算して土曜日に送って水曜日に予選会でした。久しぶりに神経がヒリヒリするような焙煎をして2~3日間は焙煎のこと以外考えていないくらいに集中しました。メッチャ楽しかったです。
まとめ
今回のジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ(JCRC)2018予選会の結果は、2日目のセミファイナルの1歩手前で合計点数が到達しませんでした。ただ、今回は上位6名の方々の焙煎プロファイルも公開されましたので、自分との焙煎プロファイルを比べてみました。水抜きポイントや1ハゼや煎り止めのリズムや温度はほぼ変わらなかったです。しかし、大きい違いは1つあり、この概念や理屈を得ることが出来たことは、とても大きな収穫でもありました。
また懲りずに来年も挑戦して、来年こそはファイナリストに上がってみせます!!そして、何よりもコーヒーに命を削り一生懸命に向き合っているからこそ、このような競技会はハラハラドキドキで楽し過ぎます。自分の一生を捧げていることで真剣になれるのは青春みたいで、高校球児でいうなら甲子園に行くことみたいな感じですね。まだまだ、コーヒーを追求して真のコーヒーのプロになりたく思います。
今回も、私に関わって頂いたスタッフやこのような素晴らしい競技会を開催してくれている日本スペシャルティコーヒー協会の皆様ありがとうございました!!!当店ホームページに、コーヒーの魅力や想いを詳しく記載しておりますので、ご興味のある方は是非ご観覧くださいね。
参考リンク⇒「コーヒー焙煎研究所わたるのホームページ」
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