こんにちわ^^
熊本のコーヒー焙煎研究所WATARUの所長わたるです。
先日、日本スペシャルティコーヒー協会が認定するコーヒーマイスター資格を受験して、見事合格してコーヒーマイスターを取得致しました。
コーヒーの資格試験は、コーヒー団体だったりコーヒー商社やコーヒースクールなどが発行することが多くあります。
団体規模や組織の大きさや、その団体の属性や方向性などで主旨や内容が異なります。
今回は、その経緯や主旨などをご説明させて頂きたいと思います。
目次
熊本のコーヒー職人WATARUが取得した日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)認定のコーヒーマイスター
コーヒーの資格試験は、現在は様々にあります。
私の個人的な見解を踏まえて言わせてもらうと、
「コーヒー資格を発行している基の組織・団体の方向性や主旨が明確なほど実用的であり、有用になってくる」
・・ように思えます。
私は現在、2つのコーヒーの資格を保有しております。
1つは、この日本スペシャルティコーヒー協会認定の「コーヒーマイスター」。
そして、もう1つは全日本コーヒー商工組合連合会認定の「コーヒーインストラクター」。
上記2つを取得しております。
こちらの2つは、組織体の根本的な部分は似ておりますが掲げている目的は異なるようです。
コーヒー資格試験のための組織による様々な方向性とは
まずは、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が認定する「コーヒーマイスター」です。
このSCAJが認定するコーヒーマイスターは、
『コーヒーに対するより深い知識と基本技術の習得をベースとして、お客様へ豊かなコーヒー生活が提案できるプロのコーヒーマン(サービスマン)のことです。これからの日本でのコーヒー市場では、コーヒーの品質をより高く維持しながらも、一人でも多くの方にその楽しさと美味しさを伝えられるようなプロのコーヒーマンが求められています。そのようなコーヒーマンの中で、消費者(コーヒーを飲む人)の一番近くに存在する』
・・上記の方を「コーヒーマイスター」と定義しているようです。
もっと平たく簡単に言えば、【コーヒーの飲用者にその美味しさや楽しさを伝えるプロフェッショナル】のことであります。
そして、もう1つが全日本コーヒー商工組合連合会認定の「コーヒーインストラクター」です。
こちらの、目的や主旨などはSCAJの「コーヒーマイスター」とは方向性なども少し異なる部分があります。
ただ、今回は割愛させて頂き「コーヒーマイスター」のことをお伝えさせて頂きたいと思います。
また近いうちに「コーヒーインストラクター」のことは、じっくりとご説明させて頂きますね。
日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)認定「コーヒーマイスター」とは
前途に申しましたように、
『コーヒーマイスターは、消費者に(コーヒーを飲む人)にコーヒーの美味しさと楽しみを伝える役割を担っております。』
具体的にコーヒーを語るなら「栽培からカップに至るまで」(From seed to cup)の長い道のりを学び、コーヒー飲用者に豊かなコーヒーライフの提案をする役目があるのです。
この「栽培からカップに至るまで」(From seed to cup)とは、
「栽培」→「収穫」→「精製」→「選別」→「輸送」→「保管」→「焙煎」→「抽出」の総べての段階において、一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須であるのです。
そして、この運営は日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が行っておりますので、もちろん推奨するコーヒー豆のランクはスペシャルティコーヒー以上のランクのものになります。
スペシャルティコーヒーの定義とは
最近は、コーヒー専門店だけでなくカフェや飲食店でも「スペシャルティコーヒー」という単語を見かけるようになってきました。
それは、コーヒー市場だけでなく飲食に関わる方々や一般消費者の方々までが品質重視を求めていることの表れであるようです。
コンビニなどでも、安価でも缶コーヒーなどに比べると品質などにこだわりをみせて消費者を満足させつつあるようです。
そうなると、飲食店なども更に品質向上をしてコーヒーに対しても質の良さやこだわりを消費者に伝えるために評価点数の高いスペシャルティコーヒーを提供を始めております。
私たち、コーヒー専門店では当たり前のフレーズになるほど浸透しております。
ただ、最近は誰でもこのスペシャルティコーヒーの単語を活用し過ぎて何が基準なのか??・・分からなくなってきているようです。
この定義や基準は、スペシャルティコーヒー協会の加盟国によって変わります。
私たち日本国での定義は、
『消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。
風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。
カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの全ての段階において、一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup)』
・・であります。
そして、さらに具体的には生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別、品質管理が適正にされて、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であることです。そして、適切な輸送と保管により、劣化の少ない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であることです。さらに、適切な抽出がされて、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められます。
この言葉の表現に値するカップに落ちる液体をカップテスト評価により、点数をつけてスペシャルティコーヒーの液体になっているかを確認する工程があります。
その工程を経てスペシャルティコーヒーといえる定義に値します。
スペシャルティコーヒーの液体を評価するカッピングとは
前途に記述した、
「カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。」
・・とありましたが、それを具体的に表すカッピングフォームがあります。
その評価対象は8項目あります。
1、フレーバー(Flavor)
スペシャルティコーヒーとコモディティコーヒーを区別する重要な項目です。
味覚と嗅覚の組み合わせでのカップテストの項目で、口と鼻が繋がる辺りに霧状に液体を啜って確認します。
口から鼻に抜けていく風味を確認します。
栽培地域の特性、Terroirが正しく表現されているかをチェックします。
そのコーヒーが栽培地域特性、Terroirが表現できているかを確認する項目になります。
2、後味の印象度(Aftertaste)
コーヒーを飲み込んだ後の「口に残るコーヒー感」が、甘さの感覚で消えて行くのか、あるいは刺激的な嫌な感覚がにじみ出てくるのかを判定する項目になります。
3、酸の質(Acidity)
酸度の強さを計るのではなく、酸の質を評価する項目になります。
良質な酸味は、コーヒーに生き生きとした印象度を与えます。
明るく爽やかであり、繊細な酸味の質がどれだけあるかを評価対象にしております。
4、カップのきれいさ(Clean cup)
この項目はコーヒー液の品質では基本的なポイントになります。
カップの液体が「汚れ」「風味の欠点・瑕疵」があるとコーヒーの栽培地域特性である「Terroir」が、はっきりと感じにくくなってしまいます。
コーヒー液体の透明性があるかを判定する項目になります。
5、口に含んだ質感(Mouthfeel)
口に含んだ質感を、粘り気・密度・濃さ・重さ・舌触りの滑らかさなどを評価する項目になります。
6、甘さ(Sweetness)
コーヒーチェリーが収穫された時点で、熟度が良く、熟度がどれほど均一であったかに直接関係する甘さの感覚をチェックする項目になります。
7、ハーモニー(Harmony)
コーヒーは風味の調和が取れているかをチェックする項目になります。
8、総合評価(Overall)
最後のこの項目はカップ評価する主観的であり、好みが入る項目になります。
SCAJ「コーヒーマイスター」資格試験を受験して学んだこと
普段、私がコーヒーのプロとしてコーヒーを飲む人たちに対して、コーヒー豆やコーヒー液を提供させて頂いているのですが、実務では学べないコーヒーの歴史やコーヒーを取り巻く産業や経済などが背景にある部分は勉強になりました。
そのうえ、改めてコーヒーの流れや見識を実感出来た部分は大きく感慨深いものがありました。
「栽培からカップに至るまで」=From seed to cup
この単語を噛みしめて、消費者の方々と向き合い伝えていきたいと感じました。
こちらの資格などにご興味のある方は、是非気軽に店頭スタッフまでお尋ね下さいね。もしくは、当店ホームページにコーヒーについての詳しいことは記載しておりますので、ご興味のある方は是非ご観覧下さいね。
参考リンク⇒「コーヒー焙煎研究所わたるのホームページ」はこちら
上記動画のコーヒー豆は、当店のスペシャルティコーヒー豆のエチオピア産ナチュラルであります。
前途に記述した、スペシャルティコーヒーに必須なカッピング8項目の評価を基準に満たす点数になるよう焙煎工程も毎回「コーヒーの生豆の状態」「環境温度・湿度」の状態を見極めながら焙煎計画をしてから行います。
当店ご来店の際は、是非ご賞味下さいね!!