コーヒー生豆鑑定マスター資格試験に合格して取得しました【JCQA珈琲鑑定士への道】

生豆鑑定マスター資格
Pocket

皆さん、こんにちわ^^

コーヒー焙煎研究所わたるの焙煎師WATARUです。

本日もコーヒー専門家の目線によるコーヒー情報を、コーヒー好きな方にとって有益となる内容をお伝えしていきたいと思います。

実は、去年に受験をした【JCQA認定のコーヒー生豆鑑定マスター】の結果の通知が来ました。

見事!!・・・合格しました~~!!!

今回の記事の内容は【JCQAコーヒー生豆鑑定マスター】資格試験の講習や内容、試験についてのことなどを含めて体験談を備忘録として記載していきたいと思います。

 

コーヒー生豆鑑定マスターの必要性と役割について

まず、コーヒー生豆鑑定マスターとは何か??・・何故?コーヒー生豆鑑定マスター資格を取得したのかをまとめていきたいと思います。

実は、私は現在のコロナ禍の前の2019年に一度コーヒー生豆鑑定マスターの資格試験を受験しております。

今回で私は2度目の受験になりました。

前回の受験の時から2年ぶりでしたが、経験則と知識が上がっていたことを実感出来る試験でした。

改めて感じたことは、この資格レベルになると一夜漬けの暗記や運任せでは合格出来るようなものではなく積み重ねた経験でしかないものであると思いました。

参考リンク⇒「2019年JCQA生豆鑑定マスターの受験に行ってきました」

 

コーヒー生豆鑑定マスターにおいてJCQAが求める能力としては、、、

コーヒー生豆原料において、グローバルな知識と外観からカップテストに至る鑑定技術を要しており、

  1. 格付け、見極め
  2. 原料の妥当性(価格と品質)
  3. 安定要素

上記の3点を見極められる総合力を持つ者としております。

これらの技能は、私が運営しているような自家焙煎珈琲豆専門店には必須な技術や知識になってきます。

私の運営している店舗は、相場で価格が決定している先物取引市場ではなくダイレクトトレードと言われる農園側と交渉して価格決定される取り引きのものが多くあります。

これらの取り引きをする際に先物市場でもダイレクトトレードでもルールや妥当性があります。

このようなことを理解して正当に取り引きするためには、生豆鑑定の技術や見極めが出来なければ検討することや向き合うことも出来ません。

参考リンク⇒「コーヒーの官能品質評価を行うQグレーダー資格を取得しました」

コーヒー生豆鑑定マスターに必要な原料鑑定の技術とは

具体的にコーヒー生豆鑑定マスターが問われる原料鑑定とは、要求されている品質を明確にしつつ、その目的に応じて品質検査を行います。

その場合は、以下の3項目を総合的に評価をしなければなりません。

①アピアランス(外観)

生豆原料の「外観目視」「物理的計測」「生豆の臭い」などがあります。

②カップテスト

生豆原料の風味や品質を官能検査で鑑定します。

「カップの安定性」「オフフレーバー」「セカンダリーテイストで表現」

③格付け/銘柄評価

生産国別の格付けや品質を鑑定する。アピアランス(外観)とカップテストを並行して行い、商品判断を行います。

 

上記のような項目の理解があるかを問われていきます。その総合判断を筆記と実技で深く広く理解力を試されていきます。

今回の生豆鑑定マスターでは、前回よりも更に理解力を問われていた印象がありました。

例えば、ブラインドカッピングで答えを導く際などでも、

「何故?このコーヒーの品種になったかの理由を問われていること」

・・などの理由と答えの一貫性が無ければ正解にならないことでありました。

たしかに、我々のような自家焙煎珈琲豆専門店が生産者やサプライヤーとの取り引きをする際に品質評価の物差し上で交渉する際には重要なポイントになってきます。

麻袋にコーヒー生豆が梱包されて現地から送ってきた際に、現物に異常があったりサンプルと違うと感じる部分があると理由や根拠が必要になります。

そのような時に、生豆鑑定技術がないと言い掛かりで終わってしまうことになるので、お互い良しの取り引きが出来なくなります。

私がコーヒー生豆鑑定マスターを取得した大きな理由は、上記のようなお互い良しの取り引きを継続的に行っていきたいことがあって成り立つと考えているからです。

参考リンク⇒「JCQA認定の商品設計マスター資格試験に受験してきました」

 

コーヒー生豆鑑定マスター資格試験問題での個人的な総評について

今回のコーヒー生豆鑑定マスター資格試験は受験した直後に、とても手応えがあったことを今でも覚えております。

ただ、その手応えあったポイントと実際は間違っていた部分もあったことを含めて記述していきたいと思います。

 

ポイント①/リオ臭を導き出す問題について

ブラジルで多く含まれているリオ(薬品臭)が含まれているカップ検体を導き出す問題があります。今回は4検体のカップの中で弱と強の濃度が混入しているカップが2検体ありました。

ここでは、リオ(薬品臭)を理解してブラインドカッピングで導き出せるかを試されております。

強度が強いリオ(薬品臭)は分かり易いのですが、弱いリオ(薬品臭)に関しては味ではなく香りに依存しているので十分に注意してカッピングをしないと分りづらい印象がありました。

カッピングの所作としては、強めに啜って香りのポイントを探らないとなりませんでした。

 

ポイント②/カネフォラ種のカップテストや基本的な知識問題について

まずはカネフォラ種の水洗式と非水洗式をカップテストでの見極めでした。ドライの状態から外観や香りなどをチェックして、お湯を注いでアロマを感じつつ、ブラインドカッピングを致します。この一連の流れからヒントや回答に繋がる理由を導き出します。生豆鑑定マスター資格試験は、2級や1級などにみたいに解答すれば良いだけではなく、その解答に導き出した根拠や理由の一貫性が無ければ減点されます。

ここの設問でも、何故?この答えを導き出したかを問われて解答する一貫性を試されておりました。経験則がある前提の上で更に明確な理由を示すことが必要でした。

 

ポイント③/ブラジルの規格違いとカップテストによる比較問題について

ブラジルコーヒー豆の規格には「タイプ2」と「タイプ4/5」があります。これらの違いをアピランスやカップテストなどで解答を導き出します。その際の理由や根拠にも一貫性が必要で、この「タイプ2」と「タイプ4/5」のブラジルコーヒー豆の規格の違いを問われます。

ブラジルコーヒー豆規格は「スクリーンサイズ」と「欠点豆数」でグレードが決定されます。ブラジルにはある欠点豆が多く含まれており、その欠点豆が混入しやすい理由などもあります。それらの解答を理由と根拠を全ての一貫性を通じて記述していかなければなりません。理解していなければ正解点数が得れない素晴らしい問題でした。

 

ポイント④/生豆の外観チェックによる欠点豆の種類を見極める問題について

今回は生豆検体に数種類の欠点豆が混入しているものを外観だけで見極めて、欠点数と欠点豆の詳細を解答する問題がありました。ここでのポイントは、変色している豆自体が発酵豆なのかどうかであったり欠けている豆を割れ豆なのか貝殻豆なのかを間違いがなく見極めれることなのかが問われていたと思います。

他にも様々な角度からコーヒー生豆の欠点豆の種類や内容を問われており、ここでも欠点豆の種類や見極めによるカウントの正確性が重要になりました。

 

ポイント⑤/ブラジル霜害による影響から与える問題について

2021年の7月に起きたブラジル南部エリア霜害被害問題について問われておりました。コーヒーの木は降霜の影響でダメージを受けてコーヒーチェリーの収穫量が減産してしまいます。ただ、2021年7月時点では、ほぼ収穫量には問題がありませんでしたが2022年のコーヒーチェリーの収穫量が減産します。その影響がどのようなことになるかを、特定の2つの言葉で文章にして記述する問題がありました。

ここでのポイントは、降霜がコーヒー栽培に与える影響のことやブラジルコーヒーが世界のコーヒー相場に与える影響自体を把握して全体像での流れをまとめることが出来るかだと感じました。

 

ポイント⑥/生豆の外観から導く問題について

ここでの生豆の外観チェック(アピアランス)については、解答を導き出すためのプロセスや考え方を重視されております。その規格のコーヒー豆を解答を当てれば良いのではなく、何故??そのコーヒー豆に導いているのかを理由や根拠を示されなければ逆に減点になることもあります。

『アラビカ種orカネフォラ種』+『精製処理方法』+『格付け基準』+『栽培品種』=『生産国+規格』

上記の流れは最低でも、理由や根拠を含めて生豆外観から導けなければ生豆鑑定マスターの資格を持っている意味がないと思います。

私的には、今回のアピアランスチェック問題は面白かったし、とても良い角度の設問だと感じました。コーヒー生豆鑑定は、やっぱり明確な導くためのプロセスや流れを理解してマスターすることこそが真に問われる技術だな・・と感じました。こういうことを踏まえて、実際のコーヒーシーンの現場などに活かされていくのだと思います。

ちなみに、私の今回の解答を導くためのプロセスはバッチリであったと感じました(笑)

 

ポイント⑦/長期保管のコーヒーの風味の影響問題について

コーヒー豆は長期保管をすることにより香りが抜けたり風味に異常を起こしたりします。

今回の問いでは、タンザニア産コーヒーの中で通常のものと長期保管を行ったコーヒーをブラインドカッピングによるもので解答を導き出します。ここでのブラインドカッピングでのポイントとしては、枯れてしまうと感じやすい風味や「渋み」「えぐみ」などをカッピングから導き出すことです。温かい状態から冷めていく過程までを十分にチェックしていきます。

コーヒーカッピングでは、温かい状態の時は風味に関わる情報が沢山含まれております。冷めていく度に、味と風味が輪郭をハッキリと表し始めます。

参考リンク⇒「CQI認定のQグレーダー資格のコーヒーカッピング基準とは」

 

ポイント⑧/ブラジルコーヒー豆の精選処理問題について

ブラジルコーヒー豆の精選処理は大きく分けて3つあります。「非水洗式処理」「水洗式処理」「パルプドナチュラル処理」があり、これら3つの精製処理方法には『生産効率』と『品質』の観点にメリットとデメリットが比較すると問題点として出てきます。

今回の設問では、パルプドナチュラルの検体カップを解答することと、パルプドナチュラルを非水洗式のコーヒーと比較してのメリットを解答することにありました。ここでは、前途に申しているとおり『生産効率』と『品質』についての目線から解答することを導く必要性がありました。この両面からの角度で捉えつつ解答を理由と根拠を示した上での完全正解を求める部分が。コーヒーインストラクター検定協会の意図が素晴らしく良いと感じました。

実際に深く理解していないと完全正解には至らない問題でしたね。

 

ポイント⑨/エチオピアコーヒー豆の精選処理の比較と非水洗式処理でのダメージリスク問題について

まずはエチオピアコーヒーの非水洗式と水洗式をブラインドカッピングでの正解を導く問題でした。エチオピアコーヒーの規格は欠点数によるものなので、未成熟豆などで感じる風味を捉えれるかがポイントになりました。

あと、この延長上での設問でエチオピアコーヒーの非水洗式処理でのダメージ豆になるリスクについて問われておりました。非水洗式は、他の精選処理と比較したら乾燥時間が長く要することにポイントがあります。乾燥時間が長いとどのような欠点豆が混入しやすくなるのかを考えた上で、この解答に向き合わないと完全正解には辿り着けません。

またこの設問も、とても有意義な問題でしたね。

 

生豆鑑定マスター資格2

まとめ

今回、JCQA生豆鑑定マスター資格を取得してみて感じたことがあります。まず今回のJCQA生豆鑑定マスター資格試験は、とても有意義で楽しく感じました。試験前日までは、大好きなコーヒーでもあるので緊張感ある中で必死に勉強をしていました。ただ、試験当日を迎え受験をしている最中は、スゴク楽しくワクワクしていました。

このような、難しくも深く広く学んで理解していないと分からない問題を作って頂いているコーヒーインストラクター検定協会の講師の方々にも感心致しました。大好きなコーヒーを敬う気持ちが受ける側にも提供する側にもある有意義な資格はなかなかないと思います。

だからこそ、今後この生豆鑑定マスター資格試験に挑まれる方は一夜漬けではなく理解するまで学び続けて挑戦して頂く気持ちで受験して欲しいなと感じます。

まだこれから挑戦する方や、コーヒー生豆鑑定にご興味がある方などいらっしゃいましたなら、是非とも当店コーヒー焙煎研究所わたるに勉強にいらして下さいませ。下記リンクバナーには、当店のアクセス地図などが掲載されておりますので、気になる方は要チェック下さいね!!

コーヒー焙煎研究所わたるのアクセス地図や詳しい情報ページはこちら