皆さん、こんにちわ!!
コーヒー焙煎研究所わたるの焙煎師WATARUです。
本日もコーヒー好きな方にとって有益なコーヒーとの関係性のある情報をお伝えしていきたいと思います。
今回の内容は去年、私が取得した熊本市主催の検定資格の【くまもと水検定】を取得した際のことや内容などを体験談を含めて有益な情報をお届けしていきますね。
目次
熊本市主催の「くまもと水検定」資格の概要や内容について
私自身が何故??・・この【くまもと水検定】資格試験に挑戦して取得したのかといいますと、コーヒー作りには水は絶対に欠かせない存在であるからです。
この「コーヒー」と「水」での反応や関係性を知るためには、「水」についても深く学び知ることによってコーヒーに対しての目的でアプローチを変えて、更なるコーヒーの進化に繋げていきたいと思い「水」のことを沢山学ぶ機会になりました。
資格取得するたびに感じることは、ある一定の基本と深い知識が縦軸と横軸で無ければ合格ラインにいかないんだということです。
過去にも、コーヒーの資格取得は色々としてきて現在の業務やお客様に対しての分かり易い情報としてお伝えが出来ております。
私が目指すコーヒーの世界観は『形式知』であることです。
この【くまもと水検定】で問われる知識として大きく分けて4つの章があります。
- 熊本の水の歴史について
- 水という存在や物質について
- 世界と日本の水事情について
- 熊本市の水道について
このような上記の4つの章に分けて知識力を問われて資格試験があります。
第1章 熊本の水の歴史について
熊本市は73万市民の水道源水を100%地下水でまかなわれております。
実は、日本の50万人以上の都市では唯一であります。熊本地域の水循環は独特であります。熊本地域では、年間で約20億m3の雨が降ります。そのうち3分の1が蒸発して、3分の1が川となり、残りの3分の1の約6億4千万m3が地下水になります。
今まで、熊本市が渇水時でも断水の経験がないのは地下水を中心とした水循環の仕組みがあるからといわれております。
この理由は2つあるといわれております。
まず1つめは、阿蘇の自然のシステムが作り出した仕組みと恩恵です。阿蘇火山は約27万年前から9万年前にかけて大火砕流噴火を起こしました。そのときの火砕流が厚く降り積もって熊本の大地は出来上がったと言われております。
この阿蘇火砕流でできた地層は隙間に富み、水が浸透しやすい特徴をもっております。そのおかげで、熊本地域に降った雨は非常に地下水になりやすく、地下に豊富で良質な水が蓄えられやすい仕組みになっております。これらの仕組みは、すべて阿蘇山によって熊本市の地下水の恩恵が受けられているといえます。
そして、2つめが先人の努力が結んだ恩恵です。
熊本に所縁のある戦国武将の加藤清正が、およそ400年前に白川の中流域に堰や用水路を築き大規模な水田開発を行いました。白川中流域の水田は特殊土壌のため通常の水田の5倍~10倍浸透するといわれております。ただでさえ浸透しやすい性質の土地に水田を作ったので、大量の水が地下に浸透する仕組みが出来上がりました。この水田からの地下水が熊本市内へ流れ、江津湖などに湧き出しております。
このように「自然の恩恵」と「先人の努力による恩恵」の2つが絶妙に組み合わさり、今でも熊本の地下水システムとして稼働しております。
熊本の地下水は、ゆっくりと阿蘇外輪山西麓から熊本市まで流れていきます。その間で、ミネラル分や炭酸分などがバランスよく溶け込んで、体に優しい天然水になっていきます。このことから、熊本地域の地下水の仕組みは天然のミネラルウォーター製造機と呼ばれております。
環境省選定の「平成の名水100選」に熊本市から2つの湧水が選ばれました。「水前寺江津湖湧水群」と「金峰山湧水群」の2つの湧水です。日本で人口70万都市以上では、熊本市が唯一であります。
そんな熊本であるからこそ、地名に水との関わりが多いのも特色であります。
「江津」=この地に津(港)があったことから地名の由来になったそうです。今では想像がつかないほどに水運が発達していたようです。
「出水」=水前寺や江津湖の西側に位置しております。文字通り水が出る地ということから地名の由来があるそうです。
「神水」=この辺り一帯が自然の神の恵みを受けた水の聖地という意味から、地名の由来があるそうです。
「水前寺」=かつて湧き水を前にして「水前寺」というお寺があったことが地名の由来になるそうです。
「砂取」=川が運ぶ美しい砂の州には、砂を運ぶ船が並んでいたといわれているところから地名の由来があるそうです。
「水道町」=江戸時代に、城下町の防火用水として立田から白川の水を引いた水道があったことが地名の由来といわれております。
「一夜塘」=白川の塘(堤防)を一夜で完成させたところから地名の由来があるといわれております。
「八景水谷」=古くから谷水が出るところを「ハケ」といいます。江戸時代に藩主の細川綱利がお茶屋を設けて、ここからの八つの景を詠んだことが地名の由来であるそうです。
「銭塘」=有明海干拓に際しての塘の土を運ぶ人に、銭を払っていたところからついた地名といわれております。
「坪井」=現在の坪井三丁目の報恩寺に大きな井戸があります。その井戸の形が壺に似ていることから「壷井」と呼ばれることから地名の由来に繋がっているそうです。
「冷水」=どの家の井戸も冷たい水が湧くところから地名の由来になっているそうです。
「川尻」=川が海に流れ着く最後の地だから地名の由来になっているそうです。
「川上」=坪井川の源の地の一帯の場所が地名の由来になっております。
私も熊本に在住して30年近く経ちますが、上記のような水に関係性のあるような地名が多いなと感じておりました。改めて知識として理解すると、熊本自体が全国で唯一の水の都市なんだと感心しました。
コーヒー抽出するなら必須である水について更なる興味が湧いてきました。
第2章 水という存在や物質について
前途では、熊本に関わる水の歴史を中心の章でした。そして、この第2章では水という存在や物質について詳しく説明されております。
現在、地球上に存在する水の総量はおよそ14億km3で、そのうち約97%は海水が占めており、その広さは地球の3分の2以上を占めております。
つまり、あと残りたった3%くらいが淡水であります。そして、その淡水もほとんどが固体で、南極の氷や氷河などとして存在しております。
そして、さらにそのうち河川・湖沼・地下水などとして液体で存在する淡水は地球上の水の約0.8%しかありません。その淡水のほとんどは地下水です。河川などの水の量は、0.01%程度しかありません。
私たち人間が使用する淡水は、この地球上の全体総量からするとほんの僅かなのであります。
第2章では、このような水が地球や体に関わる循環する仕組みなどを詳しく説明しております。
改めて、地球や自然だけでなく人体にも必須になる水循環の仕組みがあって生きていれることを実感しました。もちろん、私が情熱を向けているコーヒーに対しても水は必須でありますので、水の偉大さを感じます。
第3章 世界と日本の水事情について
今後、世界全体でみると水資源にはかたよりが加速していくといわれております。実際は、世界全体でみると地球上にはすべての人に行き渡らせる十分な量はあるといわれています。ただ、その水資源が各国に均等にあるわけではなかったり、各国の人口分布もバラバラだからであります。
人口の分布を考慮して『1人あたりの水資源量』でみると、カナダやオーストラリア近辺が多く、インドや中国では少ない状況です。特に少ないのが「アジア」「アフリカ」「ヨーロッパ」の3地域になります。アジアには世界の水資源の36%ありますが、全世界人口の6割を占めているので、1人あたりの水資源量は世界平均の6割程度しかありません。
日本は世界でも降水量が多い地域といわれております。世界平均では810mmですが、日本はおよそ2倍の1722mmであります。このため森林面積の割合も高く世界トップクラスであります。
しかし、日本の1人あたりの水資源量が3398m3で決して水資源が豊かな国ではありません。その理由は、日本の人口密度が高いということであります。
水利用に不利な日本の状況や環境も1つ要因としてあるようです。日本の降雨は6~7月の梅雨期と9~10月の台風期に集中するため、河川の流量も季節的な変動が非常に大きく、降雨による水資源の内、かなりの部分が水資源として利用されないまま海に流出してしまいます。このことは、大雨が続くと大洪水となり、日照りが続くと大渇水となる日本の水事情の特徴でもあります。
このような日本特有の自然条件のもとで水を安定的に確保するための努力がなされています。それは、河川の流量の変動を少なくし安定的に取水できるダムがつくられてきたことです。近年の日本の年降水量は、気候変動により少雨傾向にあります。
ただ、問題は雨の少ない年と多い年の降水量の開きが次第に増加して、渇水年の水資源賊存量が減少していく傾向にあることです。
日本は、これまで人口増加と経済成長に伴って生活用水や工業用水の使用量が増加してきました。その日本が現在使用している水の使用量が約815億m3であります。その割合は、農業用水が66.7%で、工業用水が14%で、生活用水が19%になります。
日本全体でみると、毎年必ずどこかで渇水騒動が起きております。渇水で給水制限になると、食事の準備やトイレが使用できないなど家庭生活に大きな影響があります。また、工場の操業停止や農作物の生育不良など経済活動にも大きな被害があります。
その一方で、洪水の被害も毎年問題になってきております。その1つの問題として都市部での水害があります。都市部では、アスファルトやコンクリートで固められているので、雨水が地下に浸透することができずに下水道や河川に流れているのが現状です。大雨になったときに、その水が行き場を失い河川が氾濫して地下街やビルの地下などに流れ込んでしまい、大洪水になってしまいます。
私が住んでいる熊本でも、2020年7月に人吉地方が大雨に見舞われて球磨川流域が氾濫して大洪水になったこともあります。このあと、私も人吉市内に行ってみたのですが街並みが水害で流されておりました。毎年、このような渇水と洪水の局面にあっているのは、我々人間が引き起こしている要因が多いようにも感じます。今後は、どのように自然と共存していくかもテーマになっていくのかと思います。
第4章 熊本市の水道について
熊本市の水道水は日本でもトップランクに美味しい水質であるとも言われております。
水道水の美味しさを大きく分けると4段階あります。
1番に美味しい水とは・・・湧水や良質の地下水を消毒しただけの水道水。
2番目に美味しい水とは・・水質のよい河川や伏流水から緩速ろ過法で精製した水道水。
3番目に美味しい水とは・・良質な水を原料に急速ろ過法で精製した水道水。
4番目に美味しい水とは・・水質の悪い水を急速ろ過法で精製した水道水。
その中でも熊本市の水道水は1番美味しい水の条件の、100%地下水を使用した水道水ということであります。水を蓄えている地層が天然の浄化フィルターの役目を果たし、ミネラルが豊富に溶け込んでいる「天然のミネラルウォーター」といわれております。
下記に水の美味しさに関係している成分や関係性についてまとめてみました。
「ミネラル」がもたらす水の影響とは・・・
「カルシウム」「マグネシウム」「ナトリウム」「カリウム」「鉄」「マンガン」などが水中に溶けている物質のことをいいます。その種類や成分量で水の味が変わります。
例えば、ミネラル分が多いと硬くてしつこい味がして、ミネラル分が少ないとコクのない気の抜けた味になるといわれております。
「硬度」がもたらす水の影響とは・・・
硬度とは水に含まれる「カルシウム」と「マグネシウム」の指標のことです。日本では、カルシウムやマグネシウムの量を炭酸カルシウム量に換算した数値を使用しております。カルシウムがマグネシウムより多い水はクリーンな印象があるといわれております。逆に、マグネシウムの方がカルシウムより多い水は苦味が増す印象があるといわれております。
日本の水道水の硬度は平均で20~80mg/Lといわれており、ヨーロッパの水道水の硬度は200mg~400mg/Lといわれております。
「炭酸ガス」がもたらす水の影響とは・・・
炭酸ガスが水の中に溶け込んでいると、新鮮でさわやかな味を与えてくれるといわれております。この炭酸ガス量が水の中に少ないと、湯冷ましした水のような気が抜けた味わいに感じるといわれております。ちなみに、水の中に炭酸ガスが1リットル中に3~30mgが良いといわれております。
「溶存酸素」がもたらす水の影響とは・・・
この溶存酸素は炭酸ガスと同じく、水の飲み心地に清涼感を与えてくれるといわれております。酸素が十分に溶けていないと新鮮な水といえず、いやな味やにおいを与える物質も伴うので味が重たく落ちたように感じます。この酸素量は5mg/L以上が望ましいといわれております。
「水温」がもたらす水の影響とは・・・
人間が水を美味しいと感じる温度は、体温の20度~25度くらい冷えた水温であると良いといわれております。山の中の湧水や地下水が美味しく感じられるのは、夏でも冬でも10度~15度くらいに一定であるからといわれおります。
まとめ
このような水の資源のことについてや、世界と日本の水事情や、私が住んでいる熊本の水事情のことも含めて広く深く水についての知識を問われるのが【くまもと水検定】資格であります。
私も、1人の人間として環境や水に関わる生活をさせて頂く中で、とても大きな学びがありました。
そして、何よりもコーヒーを淹れるときには水は必須になるので大変勉強にもなりました。
水がコーヒーに与える影響度は、成分次第で大きく影響があることも分かりました。
今後の、コーヒーライフやコーヒー作りに活かしてよりよいコーヒーを提供していくための糧にしていこうと思います。
また店頭でも様々な角度からのコーヒーのアプローチも挑戦してみようと思います。下記リンクバナーには、当店のアクセス地図などが掲載されておりますので、気になる方は店頭にも是非ともお越し下さいね!!