キリマンジャロコーヒー豆の歴史や焙煎豆の特徴について

キリマンジャロコーヒー
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皆さん、こんにちわ^^

コーヒー焙煎研究所WATARUの焙煎師わたるです。

本日も、コーヒー大好きな皆様やコーヒー愛好家の方々にとって有益なコーヒー情報をお届けさせて頂きたいと思います。

今回のテーマは【キリマンジャロコーヒー豆の歴史や焙煎豆の特徴】について詳しくお伝えしていきますね。

キリマンジャロコーヒー豆の歴史と生産地の情報とは

「タンザニアコーヒー」と聞いてもピンとくる人は少ないかもしれません。しかし、キリマンジャロコーヒーと聞けば、「ああ、なるほど!」と知っている方が多くおられると思います。この、キリマンジャロコーヒーは日本ではおなじみのブランドなコーヒーでもあります。

昔ながらのコーヒー豆を販売しているお店なら、ポピュラーなブランドコーヒー豆と言っても間違いないでしょう。今さらキリマンジャロコーヒーを紹介しても、「知ってるよ!」と言われそうですが、そんなキリマンジャロコーヒーの味や風味の 特徴を活かした飲み方について紹介させて頂きますね。

まずは、このキリマンジャロコーヒー豆のご紹介をする前に、何故このキリマンジャロコーヒー豆が日本で有名であるかの一因をお伝えさせて頂きますね。実は、日本ではコーヒーの付加価値がついている特定銘柄というものが一部のコーヒー豆にはあり、公正競争規約として認定しているものがあります。例えば、有名な銘柄でいえば「ブルーマウンテン」や「クリスタルマウンテン」や「モカマタリ」などがあります。

  参考リンク⇒「日本で最も有名な特定銘柄のブルーマウンテンコーヒー豆の愛される秘密について」

このキリマンジャロコーヒー豆も、その特定銘柄対象の特別なコーヒー豆であります。

『タンザニアで生産されたアラビカ種コーヒー豆のことを指します。ただし、ブコバ地区でとれるアラビカ種コーヒー豆だけは含まない。』

・・・という上記の定義が、公正取引委員会で公正競争規約を基に取り決めされています。

まずは知らない人もいるかと思いますので、一般的なキリマンジャロコーヒーの歴史や生産地についての情報を紹介します。キリマンジャロコーヒー豆の生産地は、上記にも記載している通り、タンザニア国で生産されているコーヒー豆ですので、タンザニアのコーヒー豆栽培事情も含めてお伝えしていきますね。

キリマンジャロはアフリカ大陸のタンザニア北東部にある山で、標高が5,895mのアフリカ大陸の最高峰です。1987年にはキリマンジャロを含むキリマンジャロ国立公園が世界自然遺産に登録されました。キリマンジャロを検索すると、登山に関するサイトがたくさん出てきます。これはキリマンジャロが登山ルートが整備されていて、難易度もそれほど高くないため、多くの登山家が訪れるためです。

そのキリマンジャロの語源は、スワヒリ語で「輝く山」という意味とされています。キリマンジャロをはじめとする山々は度重なる火山活動によって形成されていったものです。この土地でのコーヒー栽培は、1890年代にカトリック教の布教を行っていた宣教師がブルボン島のコーヒーノキ(アラビカ種)を持ち込んだのが始まりと言われています。

その後、当時東アフリカを支配していたドイツによってコーヒー栽培が行われるようになりましたが、まだコーヒー栽培についての知識が十分でなかった時代で、雨の多い東アフリカではうまくいきませんでした。この時にドイツ政府がチャガ族に割り当てた高地ではコーヒー栽培がうまくいっていたため、次第に高地での栽培がされるようになり、コーヒー栽培は拡大していきました。

しかし当時はキリマンジャロというコーヒーブランドはあまり知られておらず、そのため一度イエメンに運び、モカとして出荷されていました。1900年代初頭にはヨーロッパからの移住者によって100以上のプランテーションができ、キリマンジャロコーヒーは次第に有名になっていきました。

日本でキリマンジャロコーヒーが有名になったのは、ヘミングウェイの「キリマンジャロの雪」という作品が映画化され、それが日本で大ヒットしたことも一因であるといわれております。今ではキリマンジャロは「ブルーマウンテン」や「モカ マタリ」や「ハワイコナ」と並んで日本では有名な特定銘柄コーヒーになりました。

  参考リンク⇒「日本でも愛される特定銘柄コーヒーのハワイコナの特徴について」 

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キリマンジャロコーヒー豆の栽培環境とは

上質なコーヒー豆を生み出す栽培環境は、肥沃な土地と一日の寒暖の差が激しいことが必要であります。コーヒーの木がゆっくりと呼吸をしながら、コーヒーチェリーも時間をかけて成熟していくことによって酸の質が高まり甘さや香りの成分なども熟成していきます。

キリマンジャロコーヒーが栽培される土地は火山活動によって形成された山で、火山灰土の肥沃な土地であるとともに、栽培地の標高も主に1500m~2500mと高いため、一日の寒暖差も大きいという恵まれた栽培環境です。

このように恵まれた栽培環境で育てられたコーヒーの実からは高品質なコーヒー豆が収穫されます。あとに紹介するように、キリマンジャロコーヒーは味や風味に定評があり、エスプレッソコーヒーを好むイタリアをはじめ、各国で人気のコーヒーブランドにもなっております。

当店でも、タンザニア産コーヒー豆の取り扱いは度々ありますが、キリマンジャロコーヒー豆は委託焙煎で行うことはあります。基本的には、タンザニアコーヒー豆の性質が強くありますが、キリマンジャロコーヒー豆は酸の質だけでなく強さもあり、浅煎りから深煎りまでのどの焙煎度合いでもキャラクターを変えて楽しめます。

この要因は、タンザニアが持つ特有の酸の質と強さがあると思われます。焙煎度合いを浅く仕上げる際には、酸味を強く仕上げることも出来ますし抑えつつ上質な酸にベクトルを変えることも出来ます。ただし、チェリーが完熟したものだけを収穫していることが大事であって、甘さと香りに繋がる香気成分が多量にあることによって、このキリマンジャロコーヒー豆の風味や特徴の輪郭をハッキリと捉えることが出来ます。

ですので、ある程度の基準やレベルを超えた栽培や精製処理をされているからこそ、浅煎りだけでなく深煎りの苦味とともに香りや総称した風味が感じられるのです。私は、個人的にはこのキリマンジャロコーヒー豆は中深煎りくらいの焙煎度合いで苦味ベースの味わいと香りにまつわる風味を楽しむのが好きです。

  参考リンク⇒「タンザニア産コーヒー豆の歴史や焙煎豆の特徴について」

 

キリマンジャロコーヒー豆の味わいと風味の特徴とは

キリマンジャロコーヒーの味や風味の特徴といえば強い酸味と甘い香り成分が多量に含まれていると言われております。標高の高い地域で栽培されるコーヒー豆は上品な香りが特徴です。キリマンジャロコーヒーも1500m~2500mと標高の高い地域で栽培されるため、香りの評価は他のコーヒーブランドと比べても高くなります。

また、酸味の他にも上品な苦味があり、焙煎の仕方によって酸味、苦味それぞれをバランスよく引き出すことができるのがキリマンジャロコーヒーが上質な酸や甘さを持っている所以の特徴です。

ちなみに、上記動画は当店のラインナップでもあるタンザニア産タリメ地区でのコーヒー豆の浅煎り焙煎ですが、浅煎りでも生豆のクオリティが良ければ甘さを感じさせる酸味に仕上げることも出来ます。これは、どうしても生豆由来でのクオリティが高くなければ出来ませんが、同じくタンザニア産コーヒー豆のキリマンジャロは充分にポテンシャルがある豆ですので、浅煎りから深煎りまで楽しむことが出来るコーヒーであります。

浅煎りでは、酸の質を楽しめる状態に仕上げれて、中煎りでは上品な酸の質と豊かな香りを楽しむことができます。中深煎りや深煎りでは、苦味の重厚感とそれに伴った甘さなどを楽しめます。そして、キリマンジャロコーヒー豆は上質なので、どの焙煎度合いでも風味が様々に楽しめます。

当店でも、取り扱うことはないと思いますが液体での提供は、たまにする機会があった際は、ぜひ一度試してみてくださいね。

  参考リンク⇒「タンザニア産タメリ地区のコーヒー豆の味わいと特徴について」 

まとめ

コーヒー豆の味や香りや風味は、産地や栽培環境から必要とされる品種や精製処理などで大きく要因は変わってきます。今回の、タンザニア産コーヒー豆の特定銘柄コーヒーでも代表格といわれているキリマンジャロコーヒー豆も、特有の酸や香りがあることはご理解頂けと思います。

そして、このキリマンジャロコーヒー豆が日本人から愛される理由も味わいだけでないドラマがあることも良いですよね。皆さんも、キリマンジャロコーヒー豆を見かけたら是非一度ご賞味下さいね。

当店でも、様々な産地や農園のコーヒー豆を取り扱いしておりますので、コーヒー好きな人は是非お立ち寄り下さいね。

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