皆さん、こんにちわ!
コーヒー焙煎研究所WATARUのわたるです。
最近は、本格的なコーヒーをご自宅で淹れて楽しむ方が増えてきましたね。
そこで本日は、コーヒー豆の専門店に行っても自分好みのコーヒー豆を見つけて購入出来るコツをご紹介させて頂きたいと思います。
自分で好みの味をチョイスして、自分で淹れたコーヒーが一番美味しく感じれる情報をお伝えさせて頂きますね。
少しでも皆様のお役に立てる情報であれば嬉しいです。
目次
多様化するコーヒー豆の精製方法
現代のコーヒー豆事情は、昔ほど生産国=味の特徴(ポテンシャル)が一致しているとは一概には言えません。
例えば、一昔前ではブラジル=程よく軽やかな酸味、コロンビア=良質で柑橘系のような酸味、エチオピア=熟したフルーツのようなキレイな酸味であったりと、ある程度は原産国の特定した部分で味わいを創造したり予測することが出来ておりました。
ただ、この近年は各コーヒー農園が行う精製方法が多様化してきており、味わいの方程式が複雑になってきております。
一概に、味や品質だけを重視して精製方法を多様化しているのではありません。
国や地域の環境やルール、世界や環境との共存、原価高騰などコスト面など、社会面・環境面・経済面などを含めた事情が絡み合っている事情もあります。
まずは、その大きく分けて4つある精製方法をご説明していきますね。
非水洗式精製処理方式は単純明快で個性豊かな味わい
1つめは、主にエチオピア、ブラジルなどで行われている処理方法です。
こちらの処理方法はナチュラルとも言われています。
コーヒーチェリーを収穫後、そのままダイレクトに天日乾燥をしてカラカラになるまで乾燥をしてコーヒー豆(種子)を取り出す方法です。
一番シンプルで分かりやすい方法である処理方法になります。
味わいは、コーヒーの果肉などに含まれる甘さなどをダイレクトに感じれます。
甘さや果実味などを味わいたい方には、オススメな精製方法になります。
水洗式精製処理方法はスッキリと繊細な味わい
そして、もう1つの代表的な精製方法がウォッシュドになります。
こちらは、アラビカ種の上記以外の生産国ではほとんどが取り入れている精製方法であります。
コーヒーチェリーを収穫後にパルパーという機械で、外皮とパルプ質をはぎとります。
その後、生豆に覆い被ったミュシレージという粘液質を発酵槽に入れて約2日くらい漬け込んで分解除去します。
味わいは、コーヒーチェリーの果肉やミュシレージなどを除去していることもあり、爽やかなスッキリとしたキレイな酸を感じる味わいになります。
爽やかな酸やあっさりと味わいたい方には、オススメな精製方法になります。
パルプドナチュラルはハチミツのような優しい甘さの味わい
こちらの精製方法は、「ナチュラル」と「ウォッシュド」の中間くらいの処理方法です。
主に、ブラジルが活用しいる精製方法でもあります。
アラビカ種のブラジルのコーヒー豆の精製方法はナチュラルと申しましたが、デメリットを解消するために開発された精製方法でもあります。
そのデメリットとは、ブラジルでは天日乾燥を主にしておりますが、その際に収穫後のチェリー内部での酵素反応が起こったり、過熟チェリーであれば水分を失っているためにパルプ質と粘液質との間に隙間ができてそこに胞子が入りこむことがあります。
さらに、ブラジルではその後の乾燥工程中に「薬品臭・リオ臭」が発生する危険が高い地域もあります。
結果、ブラジルでは、それらのリスクを精製過程中に回避するために「パルプドナチュラル」精製を行うようになりました。
この精製方法とは、チェリーを収穫した後に選別作業をした後にパルパーという機械で外皮やパルプ質を除去します。
その後に、ヌルヌルとした粘液質をウォッシュドコーヒーのように分解除去をせずに、そのまま天日乾燥を行います。
この精製方法でのメリットは、
◎天日乾燥の際によく含まれる異物などが少なくなる
◎リオ臭・薬品臭などの発生リスク回避
◎未成熟豆の混入減少
・・などがあります。
そして、皆様が気になる味わいは、ウォッシュド精製などと比べて甘さが付加されたようで、ハチミツのような後口にも余韻が残るような印象もあります。
この精製方法は、中南米ではハニー精製と呼ばれることが多々あります。
こちらの精製方法は、優しい甘さなどを感じたい方にはオススメになります。
スマトラ式は環境に適応するための精製方法
スマトラとはインドネシア諸島にある島のひとつもあり、このスマトラ島で収穫されるコーヒーの一部が、主にこの精製方法での処理を行っております。
今まで皆様にご説明させて頂きました「ナチュラル精製」「ウォッシュド精製」「パルプドナチュラル精製」は、パーチメントと言われる、お米でいうと玄米の状態で乾燥工程を行っておりました。
そのパーチメントを乾燥させてカラカラの状態で、脱穀機で生豆を取り出しておりました。
ですが、このスマトラ式精製処理方法では一度軽く乾燥をさせて、まだウェットな状態で生豆を取り出してから、生豆の状態で再度乾燥工程を行っております。
そういうのも理由で、スマトラ式精製方法のコーヒー生豆は深緑色をしていたり欠けていたり、カビが生えやすくなっていたりと、他の精製方法とは違う見た目でインパクトがあります。
ただ、お店ではコーヒー豆を煎り上げている状態で商品棚に並んでおりますので、なかなか違いが分かりづらいと思いますが、肝心の味わいはかなり独特であります。
特に、苦味が生じるくらいの焙煎度合いになると風味が苦味好きな方にはクセになるような感じに仕上がっております。
ですので、このスマトラ式精製方法は、特徴的な苦味などを感じたい方にはオススメになります。
まとめ
コーヒーの味わいは方程式です。
??×??×??×??=パイン、アップルを感じる糖度のあるフルーツ感を味わえる甘酸っぱさ
上記の「??」が変数になります。
この変数が、「生豆」「焙煎」「抽出」になります。
そして、この3つも細分化されて「生豆」→「生産国」「品種」「土壌」「気候」「環境」「精製方法」など、
「焙煎」→「温度」「時間」「焙煎機の形状」など、そして、もっと細分化にすると「温度」もどの影響を与えるカロリーなのか、「伝道熱」「輻射熱」「対流熱」など豆に関わる熱も変数としてあります。
丁寧に栽培されて、丁寧に精製されて、日本に渡ってくる熟度の高い素晴らしいコーヒー豆には、素晴らしいポテンシャルがあります。
そのポテンシャルの高い豆は、繊細でもあり明確な味わいを秘めております。
そのような豆になればなるだけ、すべての工程に変数が多くなり人であるからこそ出来る丁寧なものになると思います。
これから皆様がお店でコーヒー豆を選ぶ際に、今回お伝えしたコーヒー豆の精製方法も目安にご購入されてみて下さいね。
きっとコーヒーの楽しみ方が1つ増えると思います。
最後に、下記の動画をご観覧下さいね。
こちらは、最後にご説明しましたスマトラ式精製プロセスのマンデリンです。
他の精製方法とは違い、生豆の見た目から一目瞭然なコーヒー豆になります。
味わいも独特で、煎り上がったあとの風味も個性的でファンが多いコーヒー豆の品種でもあります。
精製方法の違いで選ぶ際の基準の1つにしてみて下さいね。