皆さん、こんにちわ^^
コーヒー焙煎研究所わたるのWATARUです。
先日は、月1回のペースで熊本のコーヒーのプロからアマまでの有志が集まりカッピングの勉強会を開催しました。
今回も参加者の皆さんとコーヒーの学びを共有して大盛況でした。
本日は、そのカッピング勉強会の流れや様子などをブログに綴ってお伝えしていきたいと思います。
目次
SCAA方式のコーヒーカッピングプロトコルとは
当店では、定期的に熊本在住のコーヒー好きのプロからアマまでを集めてコーヒーの有志の皆さんで、コーヒー生豆の質を理解して共有する勉強会を開催しております。また今回も、プロからアマまで5人の有志が集まりコーヒーカッピングを通してコーヒー生豆の品質を理解して頂くための勉強会を致しました。
まず、コーヒーカッピングとは何かを簡単に言いますとコーヒー豆の品質を図るための工程であります。そして、このコーヒーカッピングにも目的次第で注目するポイントが変わってきます。それは、コーヒー協会や団体が提唱している方向性などで少し変わります。
例えば、私たちの在住している日本ではSCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)での基準があったり、COE(カップオブエクセレント)であったり、SCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)*現在はSCAではあります。・・このような団体や協会毎に審査基準などが変わってきます。その方向性や考え方の違いで評価項目対象が変わってきますが、今回はSCAA方式のカッピング項目評価に合わせてコーヒーカッピングの学びを共有致しました。
まず、このSCAA方式のカッピングとは何かからご説明しますね。これは、私が先日に資格試験を受験したQグレーダーでの基準と同じなのですが、基本的にはコーヒー生豆の質を評価するための項目や考え方を基にあります。このQグレーダーの役目の1つで、生産者やコーヒー農家の方々に正しい生豆の評価や尺度をお伝えしていく役割があります。
このQグレーダーが評価する際に、どのようなポイントがあってコーヒー農家さん達にお伝えしなければならないといけないことがあります。それは、栽培段階や精製処理の段階でディフェクト(欠点)であったりディフェクト(欠点)の要因などを明確にお伝えして上げることです。農産物には意図的ではなく、無意識にディフェクトが混じり合うことが多々あります。そのディフェクトの内容や混入率次第ではスペシャルティコーヒーの評価に値するものではなくなってしまうのです。
そのためSCAA方式のカッピングスコアシートには、厳密にディフェクト内容を明記して理解しておく必要があります。このスキルはQグレーダーでは必須でもあります。あとは、生豆の品質を7項目をチェックして点数をつけて状態を理解することです。
参考リンク⇒「CQI認定のQグレーダー資格試験について」
SCAA方式カッピングでは、この「ディフェクト」と「生豆の品質」を深く理解して評価することを目的としております。そのSCAA方式のコーヒーカッピングを有志の皆さんと共有していきました。
ただ、このSCAA方式のコーヒーカッピングには規定や基準があります。それは、コーヒー生豆を正しく評価するための決まりごとでもあり、その準備が出来なければSCAA方式のコーヒーカッピングでの生豆評価は出来ないのであります。そのこともあり、今回も熊本の老舗コーヒー豆専門店の大先輩の『まる味屋珈琲』さんにご協力頂いて準備を致しました。
コーヒー焙煎豆のサンプル準備に必要なこととは
◎コーヒー焙煎豆サンプルはカッピングから遡って24時間以内にローストして、最低でも8時間は安置すること
◎ローストレベルの測定は、焙煎後30分から4時間までの間に、SCAAカッピング用標準粒度(SCAA Standard Grind for Cupping)に合わせたコーヒー粉を用いて、室温で管理すること
◎コーヒーの色は『アグトロン「グルメ」(Agtron Gourmet)』で計測して63.0であること
◎ロースト時間は8分以上12分以内で、焦げ付きやチッピングが明らかではないこと
◎コーヒー焙煎豆サンプルはすぐに空冷すること
◎コーヒー焙煎豆サンプルの温度が約20℃まで下がったら、密封容器または透過性のない袋に入れてカッピング時まで保管して、空気との接触を最低限に抑え、感染を防止すること
参考リンク⇒「コーヒーカッピングとは何か」
コーヒーカッピングを行うために準備する必要なこととは
◎コーヒーの液体サンプルの理想的な比率は『水150ml:コーヒー粉8.25g』であること
◎コーヒー焙煎豆サンプルは、カッピングの直前に挽き15分以内に水を注ぐこと
◎コーヒー粉はペーパードリップ向けの標準的なサイズよりもわずかに粗めにすること
◎コーヒー焙煎豆サンプルの均一性を評価するため、同一のサンプルから少なくとも5杯は用意すること
◎カッピングに使用する水の理想的な全容存固形物量(TDS)は『125ppm~175ppm』であること
◎カッピングに使用する水の温度は93℃であること
参考リンク⇒「コーヒー専門店の開業志望の方々にカッピングトレーニングを行いました」
コーヒーカッピングの評価をする際の流れと指針とは
まずSCAAカッピングフォームに従って評価をする際には、11種類の重要な項目があります。
①フレグランス/アロマ
②フレーバー
③アフターテイスト
④アシディティ
⑤ボディ
⑥バランス
⑦ユニフォーミティ
⑧クリーンカップ
⑨スウィートネス
⑩オーバーオール
⑪ディフェクト
これらの11項目の中の7項目は6点~10点までの評価をして、⑦⑧⑨の項目はディフェクトや均一性などを評価して、⑪のみはマイナス評価を与えていく項目です。これらの評価の最高得点は100点満点であり、80点を超えるとスペシャルティコーヒーと評価されます。この評価が80点以下のコーヒー豆はスペシャルティグレード未満(below specialty)となります。
これらの評価項目を理解しつつ、得点をつけて評価した上で最後に参加者の皆さんでディスカッションをしていき学びを共有していく流れで毎回行っております。
今回は中南米のウォッシュドプロセスのスペシャルティグレードの評価をカッピングしました
当店が開催しているコーヒーカッピング勉強会では、毎回産地やプロセスなどでテーマを決めて行っております。3回目の今回は『中南米の産地のウォッシュドプロセス』のコーヒー豆だけを集めて行いました。生産国名は以下のとおりになります。
①ホンジュラス
②グァテマラ
③メキシコ
④コロンビア
⑤ニカラグア
上記5カ国の産地のウォッシュドプロセスのコーヒー豆だけを集めて行いました。ちなみに、前回のカッピング会は『ナチュラルプロセス』のコーヒー豆だけで行いました。何故、似たような産地やプロセスだけで行う理由は、風味や味わいや香りの個性が近いと意識が更に集中をして理解度が増して学びも深くなることもあるので、毎回テーマを決めて行っております。
今回は3回目とあって、参加者の皆さんも馴れてきてスムーズに流れが出来て評価対象の部分も皆さん平均が近くなってきて良くなったと感じました。
まとめ
今回の『中南米の産地のウォッシュドプロセス』のコーヒー豆のカッピングは、ほぼ参加者の皆さんの評価が特別に外れることもなく、平均点が近かった印象がありました。そして、回数を重ねていく分コーヒーに対しての評価の捉え方や意識が明確になってきていて、理解度も更に増している印象もありました。
総評としては、1つのコーヒー豆以外はスペシャルティグレードの評価であり、1つのコーヒー豆はディフェクトが混入されていて評価が割れて、更に学びの時間を共有出来たことも良かったです。
当店では、毎月1度はこのコーヒーカッピングを通しての勉強会をプロやアマを問わずに行っておりますので、ご興味のある方は是非ご参加下さいね。今回もご参加頂いた皆様と、ご協力をして頂いているまる味屋珈琲店さん、ありがとうございました!!!