◎第3回 コーヒーカッピングにおいてのテイストとは

コース内容 今回のポイント

まず焙煎機の基本構造について学んで頂きます。

焙煎機にも様々な種類があります。当店の焙煎機は、円筒状(横型ドラム状)の焙煎釜を回転させながらコーヒー焙煎を進行させていくシリンダータイプの焙煎機になります。このシリンダータイプの焙煎機では、「直火式ドラム」「半熱風式ドラム」「熱風式ドラム」の3タイプが大きくあります。当店の焙煎機は「半熱風式ドラム」になります。この半熱風式ドラム焙煎機を用いて、カリキュラムを進めて学んで頂きます。

このシリンダータイプの焙煎機では「伝導熱」「輻射熱」「対流熱」と、大きく分けて3つの熱との関わり方があります。どのようなコーヒー豆を煎って、どのような味わいに仕上げたいかの目的で熱との関わり方が変わります。この3つの熱との関わり方での焙煎プロセスや焙煎機の特性によって熱との関わり方について、詳しく学んでいきます。

そして、焙煎機の操作方法を学んで頂きます。焙煎機では、共通して構成要素は大きく分けて4つあります。「熱源」「温度計」「ダンパー」「冷却機」の4つ構成要素で焙煎機は出来上がっております。

これらの焙煎機の操作方法を含めて、どのような熱との関わり方をするかを焙煎計画を行ってから、最後にご自身で1バッチ焙煎をして頂きます。

 

人間の舌にある味覚センサーの構造について

 まずコーヒー焙煎機の種類や構造などを学んで頂きます。

 コーヒー焙煎機にも、小型から大型まであり用途や目的などで形状や性能が異なります。工業用の大型になれば、私たち自家焙煎コーヒー豆屋さんが使用する小型の焙煎機とは構造や性能が変わってきます。工業用の大型の焙煎機になると、熱風式での焙煎機で、シリンダータイプではない焙煎機になることが多くあります。

 ただ、ここでは私たち自家焙煎珈琲専門店で使用するシリンダータイプでの焙煎機について詳しく学んで頂きます。シリンダータイプの焙煎機とは、円筒状の焙煎釜を回転させて焙煎進行をしていく構造になります。

 このシリンダータイプの焙煎機は、大きく分けると3つのタイプに分かれます。「直火式ドラム」「半熱風式ドラム」「熱風式ドラム」の3つのタイプがありますが、それぞれに焙煎する際にエネルギーを豆に与える際の関わり方が異なってきます。「直火式ドラム」と「半熱風式ドラム」は熱源がシリンダーの真下にあり、シリンダーを直接加熱することによって焙煎進行をさせていきます。ただ、「直火式ドラム」は穴がシリンダーに開いているので直接火が豆にも当たります。

一方、「熱風式ドラム」では熱源がシリンダーの真下にある訳ではなく離れたところにあります。加熱された熱風をシリンダーに送りこむことによって焙煎を進行していきます。

 この熱を与えるための手段が違うだけでも、コーヒー豆に対しての焙煎プロファイルが大きく変わってきます。その焙煎機の特徴や性能の違いでコーヒー豆の仕上がりは変わってきます。ここでは、このようなコーヒー焙煎機の種類や構造に関わることを学んでいきます。

 

コーヒー液に関わる成分の味について

 ここでは、焙煎機を操作するための方法や具体的な性能について学んでいきます。

 コーヒー焙煎機の操作方法や性能は、焙煎機の種類やメーカーが変わると操作方法は異なってきます。ただ、基本概念での部分はほぼ同じなので、ここでは基本的な概念を含めてコーヒー焙煎機の基本構造と基本の操作方法を学んでいきます。

 まず、コーヒー焙煎機の構成要素の基本として「温度計」「熱源」「ダンパー」「冷却機」の4つがあります。

「温度計」とは、熱源から与えられる熱のうち、排気で奪われる熱を除いた残りが釜を温める熱と豆に伝わる熱になりますが、この空気の温度を温度計では測っていて焙煎機に表示されるような仕組みになっております。

「熱源」とは、コーヒー豆に熱を与えて焙煎を進行させるためのものになります。それは「電気」「ガス」「炭」「灯油」「重油」が利用されて熱源となっていきます。このような熱源から焙煎を進めていくのですが、同じ熱源で同じ熱量でも焙煎機の構造次第で熱を逃がしやすい構造では豆に伝わる熱量は小さくなったり、逆に保温性の高い構造ならば豆に伝わる熱量は大きくなります。熱源は、このような焙煎機の構造次第でも与える熱量は変わってきます。

「ダンパー」とは、開くことによって焙煎機内の熱や豆の持つ熱を奪っていきます。そして、コーヒー豆から発生するガスを排出する役割りもあります。他にも、焙煎進行が進んでいくと煙の量が多くなり、コーヒー豆に煙が被り過ぎないように煙の排出の調整するための役割もあります。

最後に「冷却機」ですが、焙煎豆の持っている熱を速やかに奪い、化学変化を止める役割があります。コーヒー豆は、2回爆ぜるタイミングがありますが、このハゼるタイミングからコーヒー豆自体が発熱反応になっていくため、その発熱反応を止めるためには十分な冷却能力が必要となってきます。

 このような焙煎機に共通する4つの構成要素を学び、焙煎機の操作方法を実際に学んでいきます。

 

「酸味」「甘味」「塩味」の溶液でカッピングテスト

 前途のような焙煎機の基本構造や操作方法などを学んだあとは、実際に当店の焙煎機を使用して焙煎体験をして頂きます。

 まず当店のコーヒー焙煎機のご紹介を致します。当店で使用しているコーヒー焙煎機は、前途でも学んだ構造の1つの半熱風式ドラムでのシリンダータイプであり、熱源はシリンダーの下にあり熱風がドラム内部に送られて焙煎進行がされていきます。

 この半熱風式のドラムでの3つの基本となる伝熱があります。それは「伝道熱」「対流熱」「輻射熱」の3つの機構があります。この伝熱とは、物体間あるいは物体内に温度差がある時に起こる熱移動のことであります。

 まず「伝道熱」とは、コーヒー豆の内部のような固体内や静止している液体・気体内で起こる伝熱のことであります。この伝道熱は、熱の移動速度は温度差が大きいほど大きくなります。

 「対流熱」とは、コーヒー豆の表面と焙煎機の空気との間で起こる伝熱のことです。対流による伝熱速度も温度差が大きいほど大きくなります。熱風量が増加すると焙煎時間が短くなる要因は対流による伝熱速度が大きくなるからであります。

 最後に「輻射熱」とは、太陽のような熱を光や電磁波で伝える熱のことをいいます。「電磁波(輻射)→熱(輻射熱)→物質」のように、電子レンジの原理もこの輻射熱といわれておりますが、食物の中の水分だけに強く作用するような電磁波で熱を与え効率的に温めています。

 このような3つの伝熱の理論を用いて焙煎化学を紐解きながら、当店の半熱風式ドラムの特性を活用して1バッチコーヒー焙煎体験をして頂きます。

 

溶液テストを終えてテイストの学びのまとめ

 最後に、当店の半熱風式ドラムの特性を理解して伝熱の原理を用いて焙煎したコーヒー豆をカッピングをしておさらいしていきます。

 カッピングのチェックでの際も、半熱風式ドラムの特性を活かした焙煎が出来ているかをチェック致します。半熱風式ドラムの特性は、対流熱と伝道熱のバランスを考えながら、焙煎後半に起こるコーヒー豆自体の発熱反応による化学変化での熱エネルギーによる温度上昇率などを考慮してからの仕上がりになります。

 半熱風式ドラムの特性での焙煎リズムは、産地特性のリズムと酸と甘さのバランスを整えることが得意とするので、その辺りに該当するカッピング項目のチェックを含めてマスターして頂いたら、焙煎を学ぶの『第3回 焙煎機の基本構造と操作方法』を卒業と致します。

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