◎第5回 コーヒーカッピングでスコアシートに記入して採点をする方法について

コース内容 今回のポイント

 今回の「第5回 コーヒーカッピングでスコアシートに記入して採点をする方法について」は、ほぼ実践カッピングでの学びを通じてのカリキュラムになります。

 コーヒーカッピングは、基本やルールなどを座学で一通り勉強したら実践を繰り返すことが成長に繋がっていきます。その際に、実践を通して実感しないと理解が出来ない所作や評価項目に関してがあります。

 例えば、カッピングの所作ともいえる液体を吸い込むときのやり方などですが、ただ思いっきり吸い込めば良い訳ではなく、評価項目で目的が変わるので吸い込み方が変わってきます。熱い状態の時は、蒸気から上がる情報を多く取るために「ピューウィ」というような金属音が鳴ったり、冷めてくると舌の上での情報を多く必要になるので静かに含んだりと所作が様々にあります。

 実践カッピングを行う際にも「カッピンググラスの基準」「ローストの明度」「粉の粒度」「水と粉の比率」「湯の温度」「水の硬度」などのカッピングプロトコルを理解して進めていかないといけません。どのコーヒー豆でも同じ条件でコーヒーカッピングを進めていくことが必要になります。

 そして、実践カッピングによるスコアシートの記入を各自で行って頂きます。最後に、そのスコアシートの採点発表と反省を行って理解を深めて学びを終えたら「第5回 コーヒーカッピングでスコアシートに記入して採点をする方法について」のカリキュラムは卒業になります。

 

コーヒー豆の品質評価を行うスコアシートの記入方法について

 まずは、カッピングを行う際にスコアシートに記入していくコツや方法について学んで頂きます。

 前回で学んだ部分を、更に深く掘り下げてコーヒー豆の品質評価をする際の方法について学んでいきます。コーヒー液体は、熱い状態から冷めていく状態で変化してチェックするポイントが変わっていきます。

 まず、コーヒー粉に湯を注いでいくときは93℃になります。それから、10分くらい経って口に含み液体の評価を開始します。この段階では、まだまだ火傷するくらい熱く感じる人も多くいます。そして、21℃になるまで各項目の評価のチェックをしていきます。

 このように、高い温度帯から低い温度帯まで時間を掛けて品質評価をする際の項目を温度帯によってチェックしていくことや、カッピングスコアシートの記述する際のルールや決まりなどを学んでいきます。スコアシートの採点には、6~10点までの0.25刻みに17段階設けられております。

 これらのトータルスコアが80点以上であると、スペシャルティコーヒーという品質評価に値するものとなります。この章では、採点の基準となるスコアシートの記入方法やコツについて詳しく学んでいきます。

 

カッピングの官能レベルを上げるための所作について

 コーヒーカッピングとは、難しくて出来ないというイメージを持つ方が多くいらっしゃいます。プロの方は、コーヒー液体を吸い込む瞬間に「ピューウィ」というような音を大きく鳴らしていらっしゃいます。ただ、コーヒーカッピングの所作ではそれが全て正しいという訳ではなく、品質評価の各項目の目的によって所作が大きく変わることがあります。

 例えば、「フレーバー」「アフターテイスト」のような鼻から抜ける蒸気の強度を最大限にする場合は、コーヒー液体が熱い段階で空気を多く吸い込みつつ鼻から抜ける蒸気の量を多くするために「ピューウィ」というような金属音が鳴りがちになります。

 その後、温度が下がって60℃台にコーヒー液体がなったら「アシディティ」「ボディ」「バランス」の評価をします。この場合は、前途のような「ピューウィ」というような吸い込む所作ではなく、ゆっくりと舌の上にコーヒー液体を乗せて味わうことにより感じやすいことが多くあります。

 この他にも、更に温度が下がることにより「スイートネス」「ユニフォーミティ」「クリーンカップ」の項目もチェックするような所作もあります。つまり、これらはスコアシートのチェックする項目別で目的も異なるので、所作も異なることが必然になってくるのであります。

 この章では、このようなカッピングの官能レベルを上げていくための所作について詳しく学んでいきます。

 

実践カッピングのルールや注意点について

 コーヒーカッピングによって品質評価をする際には、カッピングプロトコルやルールやマナーを覚えておかないといけません。日本人だけではなく海外の方も混ざってコーヒーの品質評価をすることは多くありますが、その際でも文化が変わってもルールやマナーは統一されております。

 「カッピンググラスの基準」「ローストの明度」「粉の粒度」「水と粉の比率」「湯の温度」「水の硬度」と始める前の準備であったり、全ての流れと順序も決められております。

 他にも、粉にお湯を注いで4分くらいクラスト(液体の表面に浮かぶコーヒー粉の膜)の状態を維持した後に、クラストを壊して3回かき混ぜるタイミングや所作にもルールがあります。カッピング中にも、水でスプーンを注いでペーパーで綺麗に水気を切ってから、他の液体をカッピングをするというようなルールが沢山あります。

 この章では、このような実践カッピングにおいてのルールやマナーの注意点を実例に挙げて学んでいきます。

 

カッピング体験とスコアシートの記入による採点

 前途までの座学を踏まえて実践カッピング体験を行いつつ、スコアシートの記入による採点までも各自で行って頂きます。

 コーヒーカッピングの時間は40分に設定して、93℃の注湯から21℃の液体になるまで行います。実際にカッピングを行っていく際には、鉛筆で記入していき後から採点が変わっても変更出来るようにしておきます。各項目の採点は、縦線で0.25点刻みで記されていますので、それを斜め線でチェックして仮点数をつけてスピーディーに採点をしていきます。

 ただ、まだ慣れていない状態では何点を付けていいか分からないと思いますので、プロが指針となる情報をお伝えしながら経験則を高めて頂きます。このカッピングに関しては、スコアシートの記入を行い何回も繰り返し経験してみないと基準が全く分かりません。ですので、ここではその経験側の1回としてしっかりと基準値を学んでいきます。

 例えば、精製処理の違いによる「甘さ」についても「ナチュラルプロセス」か「ウォッシュドプロセス」かでも基準値が大きく変わります。酸味に関しても「ナチュラルプロセス」と「ウォッシュドプロセス」でも、基準値が変わってきます。

 このように、カッピングに関しては「産地」「品種」「精製処理」等で捉え方や基準値が各項目異なる部分がありますので、実例を挙げて実感して頂きながら詳しく学んで頂きます。

 

コーヒーカッピング後の各自の採点発表

 前途で行ったカッピング後は、自分自身で採点したスコアシートの点数を各項目とトータルスコアを発表して頂きます。コーヒーカッピングの技術向上の半分くらいは、この答え合わせを擦り合わせていくことによっての学びがあります。自分自身の目線や感覚で行ったカッピングでは、まだ気づいていないことや見落としている部分や把握していないことが沢山あります。

 このような、多角的な視点や感覚がコーヒーカッピングの技術向上には欠かせません。いつも自分1人だけで行っていても、コーヒーカッピングの世界は広がらずに成長することも難しいのであります。

 いつも同じメンバーだけでなく、コーヒーの同業者やプロのカッパーや海外の人となど多種多様な経験値が高い方々と行うことがコーヒーカッピングの技術向上が加速していくといえます。

 このコーヒーカッピングの見落としのポイントは、ポジティブな評価の部分だけでなくネガティブ評価のディフェクトカウントの部分も多くあります。風味を損なう要因の混入している液体は、強度のものもあれば軽度なものもあります。特に、このディフェクトカウントで軽度なものになると見落とすことが多いので要チェックであります。

 この章では、コーヒーカッピング後の各自の採点を発表して他人との違いで詳しく学んでいきます。

 

カッピングスコアの採点発表後のおさらい

 そして、最後にカッピングスコアの発表と結果の擦り合わせを皆で行った後は、プロの講師によるおさらいを行います。

 事前に伝えていた部分と、結果を踏まえて自分自身の何処が見落としやすいか、何を理解していないから採点による判別のズレなどがあるのかを詳しく分析して反省点としてお伝えしていきます。例えば、Acidity(酸の質)の評価項目でも強度で判断する人は多くいらっしゃいます。産地によって強度の違いがあるので尺度は「酸の質」が大事になります。その液体は「ブライトネス(明るさ)」であるのか、「サワー(すっぱい)」であるのかであります。この「酸の質」を問われている評価項目に関しては「ブライトネス(明るさ)」で表現される液体を高い採点にしております。

 このような、評価項目で混同されがちな間違いや表現の部分を最後のまとめとして学んで頂ければ、「第5回 コーヒーカッピングでスコアシートに記入して採点をする方法について」のカリキュラムは卒業になります。

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