◎第2回 コーヒーの香りの分類と嗅覚について

コース内容 今回のポイント

 コーヒー豆は加熱すると香気成分が生じてきます。その香気成分自体は、「コーヒーの木を栽培している段階で生豆の酵素反応による」「焙煎工程でメイラード反応による」「焙煎工程の後半での繊維の乾溜によって生成による」「コーヒーチェリー収穫後の何処かのプロセスでの不良処理による」などの要因は様々にあります。

 このような香気成分が生成されている要因となるものを、4グループに分けて嗅いで実際に認知していきます。この1つづつのグループには9種類づつの代表的コーヒーアロマ溶液があります。ポジティブなアロマもあれば、ネガティブなアロマもあり、これらを認識していくことによって実際にコーヒーカッピングを行う際に、明確な「フレグランス」「アロマ」「フレーバー」のチェックが出来る技術を磨くことが出来ます。

 これらの学びを座学と実践で交互に行うことで、より深く認識や体験をスキルに昇華して頂くことが目的でもあります。このような流れで、コーヒーの香りの分類と嗅覚についての章での学びは終わります。

 

 

 

コーヒーの香りに関わることについて

 コーヒーの香りは生豆を加熱することによって生成され分解されて香りの元になる成分となっていきます。

 「生豆から漂う香り」「加熱して上がる香り」「焙煎豆を挽くことによる香り」「粉に湯を注いで蒸気に上がる香り」「口に含むと広がる香り」と、コーヒーに関わる香りでも様々にあります。

 「コーヒー豆の栽培品種での香りの違い」「コーヒー豆の精製処理による香りの違い」などもあったり、「生育不良での異臭」や「精製処理の不適切な工程での異臭」などのネガティブ要素となる由来の香りなどもあります。

 他にも、焙煎工程での適正な加熱プロセス不足や加熱工程のやり過ぎでの異臭などの人為的なミスによる香りの違いなどもあったりします。

 これは、抽出工程でも同じことで未抽出や過抽出などでも適切な香りにならなかったりとします。

 ここでは、このようなコーヒー豆に関わる香りの違いがあることなどを全体的な流れで学んで頂きます。

 

「フレグランス」「アロマ」「フレーバー」の分類について

 コーヒーの香りを評価する項目では大きく分けて3つの表現で捉えて認識していきます。

 まず「フレグランス」ですが、この表現はコーヒー焙煎豆を挽いた状態から上がってくる香りのことであります。この「フレグランス」での状態ではカッピングをする前の注湯する前の段階でチェックするべき項目になります。この「フレグランス」の状態で異臭があったりすると直ぐに異常に察知できます。この項目もカッピング項目では重要なポイントになります。

 2つ目が「アロマ」になります。この「アロマ」の状態とは、コーヒー粉に注湯して上がってくる蒸気の香りのことを指します。「フレグランス」とは違い、「アロマ」の状態は蒸気で香るので人間の鼻で感知しやすい状態であり、沢山のヒントや情報が詰まっております。この「アロマ」の状態はカッピングする前に最重要になるべき項目でもあります。

 そして3つめは「フレーバー」になります。この「フレーバー」に表現とは、口に含み飲み込む際に鼻から抜けていく湿った空気で感じる状態のことを指します。スペシャルティコーヒーでは、このフレーバーの表現は欠かせません。そのコーヒー豆の特徴となる産地特性が感じられるポイントになるので、高品質のコーヒーであればあるだけ絶対必須な表現や状態になります。

 このように、コーヒーの香りにも状態によって表現やポイントが変わってくるのであります。スペシャルティコーヒーのような高品質のコーヒーであれば欠かせない項目になります。

 ここでは、このようなコーヒー豆の状態で「フレグランス」「アロマ」「フレーバー」などの表現の捉え方やポイントを詳しく学んでいきます。

 

コーヒーの香り成分の出来上がる要因について

 前途で学んだ「フレグランス」「アロマ」「フレーバー」の成分で感じやすい要因となるものが、どの段階で生成されやすく、どのような状態の時に感じやすいかなどの理由に迫っていきます。

 例えば「フレグランス」での状態で感知しやすい香気成分は、主に生豆を成育している栽培の段階などの酵素反応によって生成されていることが多くあります。

 そして「アロマ」の状態で感知しやすい香気成分の要因は、焙煎工程で生じるメイラード反応で生まれるものが多くあります。

 あと「フレーバー」で感知しやすい香気成分の要因は、焙煎工程の後半におけるコーヒー豆の繊維の乾溜によって生成されるものが多くあります。

 その他にも「ディフェクト」のような風味を阻害する要因に関してのこともここでは学んでいきます。

 

コーヒーに含まれるアロマ溶液を使用して実践での学び

 前途までの座学を終えたら、実際にコーヒーに関する代表的な36種類のアロマ溶液を使用して嗅覚と認識のトレーニングを行っていきます。

 このアロマ溶液でのテストトレーニングでは、前途で紹介した4つのグループに分けて認識して嗅ぎ分けていきます。「Enzymaticグループ」「Sugar Browningグループ」「Dry Distillationグループ」「Aromatic Taintsグループ」の4つに分類したグループで、1グループに9種類のアロマ溶液があります。

 例えば「Enzymaticグループ」は、生豆を成育している栽培の段階で起きる酵素反応で出来上がる香気成分で「Potato(ポテト)」「Garden peas(ガーデンピーズ)」「Cucumber(キューカンバー)」などのネガティブ要素もあれば、「Lemon(レモン)」「Apricot(アプリコット)」「Apple(アップル)」などのポジティブ要素もあります。

 他にも「Sugar Browningグループ」「Dry Distillationグループ」などの焙煎工程で起きる反応から生じる香気成分もあったり、「Aromatic Taintsグループ」みたいなコーヒーチェリー収穫後の何処かのプロセスでの不良処理から発生する香気成分もあります。

 この章では、このようなコーヒーの香りの分類と嗅覚に関わることを詳しく学び終えたら「第2回 コーヒーの香りの分類と嗅覚について」のカリキュラムは終了になります。

お問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

TEL:096-200-6572
Open 11:00-17:00
定休日 水曜・木曜

ご予約・お問い合わせはコチラ

お申込み・お問い合わせはコチラ